なぜ若者の環境問題意識は高くないのか~TBSの専門家が分析「データからみえる今日の世相」~【調査情報デジタル】
具体的な行動は選択率が半数を超えるものもありますが、「環境問題の改善に自分もできることがある」という考え方への賛同はそこまで多くなく、全体では2割弱程度。こちらも少ないなりに、男性より女性、年代が高いほど選択率が高いという傾向で一致しています。 選択率ベスト4の項目は、どれも本当に日常の具体的な行動です。それらの選択率が、若年層より中高年層、男性より女性で高いのは、そうした層の人々が選択肢のような日常の行動を行う機会が多いからかも知れません。 洗剤が切れたからスーパーに買いに行く、その時に新品よりもつめかえ商品を買ってゴミを減らすことにする。こうしたことは、ふだん洗い物や洗濯などに関わっているから意識するのであり、自分で洗濯しない人が洗剤をどうしようかなど、気にするとは思えません。 ひょっとして環境問題だと「日頃の実践はともかく、理念には賛同」といった、頭でっかちな傾向が若者に見られるかも、と思いましたが、上のグラフを見る限りではそうでもなさそうです。 ■「毎日料理をすること」と環境問題への関わり ふだん日常の家事を行っている人のほうが、環境問題に対する具体的な行動をしているのではないか。 そんな疑問に答える分析をしたいのですが、日頃家事を行っている程度を尋ねた、ぴったりの質問は残念ながら見当たりませんでした。 TBS生活DATAライブラリ定例全国調査にあって、それに近そうなものが、「ふだん自分や家族のためにどれくらい料理をするか」を尋ねた質問で、これを男女・年代別に集計した結果が次の帯グラフです。 結果は予想通りというか、未だにこの有様というか。すなわち、女性の壮年・中高年層の7~8割が「ほぼ毎日」料理をしていて、男性や女性若年層の4~5割、男性若年層に至っては6割が「ほとんどしない」状況です。 こうした料理の頻度別に、先の「環境問題への意見」質問で、14の選択肢から何個選んだかを集計してみると、次の帯グラフのようになりました。