なぜ若者の環境問題意識は高くないのか~TBSの専門家が分析「データからみえる今日の世相」~【調査情報デジタル】
数多(あまた)ある調査項目には、社会全般の事柄として「犯罪・事件・非行」「国の政治」「国際問題」といった選択肢を45個並べ、関心があるものをいくつでも選んでもらう、という質問もあります。 その質問の選択肢の一つが「地球環境問題」で、昨年の調査結果では、回答者全体での選択率が22%。世の中の5人に1人が気にする関心事でした。 この選択率を、全体/女性/男性と分けて3つの年代毎に集計したのが次の図です。例えば、中高年層(50~60代)の選択率では、全体30%、女性33%、男性28%で、女性の関心度のほうが高いという具合(注2)。 これを見ると、年代が上の層ほど地球環境問題に関心を持つ人が多いことが一目瞭然。男女で分けてみても、中高年層や壮年層(30~40代)では男性より女性のほうが若干関心度が高いようですが、いずれにせよ若年層(10~20代)の関心度が低いことには変わりありませんでした。 ■環境に優しい行動をしているのは誰? 「あれ、若い人は環境問題に関心が高いんじゃないの?」という疑問が膨らんだところで、人々の環境問題への関心について、もう少し解像度を上げて実状に迫ってみましょう。 TBS生活DATAライブラリ定例全国調査には、環境問題に関する行動や意見で選択肢を14個示し、あてはまるものをいくつでも選ぶ質問があります。 選択肢には具体的な行動を示したものが多く、選択率も高いのですが、考え方や心がけ、抽象的な「理念」のようなものも一部含まれています。 そこで、回答者全体の選択率が上位の4項目と、「地球環境や社会を良くするために、自分ができることがあると思う」という考え方について、男女を分けて年代別に集計した結果を棒グラフで示してみました。 回答者全体の選択率ベスト4は女性全体・男性全体でも同じで、1位「エコバッグ利用」、2位「フードロス回避」、3位「冷暖房設定」、4位「つめかえ商品利用」でした。 前述の地球環境問題への関心度もそうでしたが、こちらも全体として女性のほうが男性より選択率が高く、約10~20ポイントほどの開き。そして、どの項目でも年代が若いほど選択率が低調でした。