日本のビール消費量 南アフリカに抜かれ世界11位に トップ10外れるのは初めて
キリンホールディングスが19日発表した2023年の国別のビール消費量によると、日本は前年比1・0%減の424・9万キロリットルの11位となり、前年から順位をひとつ下げた。日本がトップ10から外れるのは1975年の調査開始以来、初めて。日本に代わり10位となったのは前年11位の南アフリカで、4・6%増の438・8万キロリットルだった。 【解説】ビール大手4社トップが考えるビール離れへの対策 南アフリカは、2015年から10年連続で消費量が増加。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、一部所得層の可処分所得の増加により、南アフリカでのアルコール消費量は拡大しており、そのうちの約8割をビールが占めるという。SABミラー社が製造する「キャッスルラガービール」など複数の現地ブランドがあり、ビール文化が根付いている。 一方、日本は20年まで14年間7位を維持したが、21年は8位、22年は10位と順位を下げていた。新型コロナウイルス禍による飲酒機会の減少や若者のビール離れなどの影響が顕著となった。 23年の国別消費量の1位は21年連続で中国。2位は米国、3位はブラジルとなり、1~9位に変動はなかった。 また、世界のビール総消費量は前年比0・1%増の約1億8793万キロリットルとなった。新型コロナ禍の影響が緩和され、各国で消費の回復が進んだ。 国民1人当たりの消費量は、チェコが152・1リットルで31年連続の首位。日本は34・5リットル(大瓶換算で約54・4本)で56位だった。 調査は、キリンが各国のビール協会へのアンケートと海外資料に基づいて、計170の国と地域の消費量をまとめた。