香港「民主の女神」はいま……「一生帰らない」周庭さん、カナダ“亡命”の胸中語る「一生追跡する」当局は言論の萎縮狙う?
2014年の香港の民主化デモ「雨傘運動」で“民主の女神”と注目された周庭さん(27)が、カナダに事実上の亡命をしたとSNSで明らかにしました。『zero』は日本時間4日にインタビュー。保釈後の生活や元民主派への厳しさが増す現状を聞きました。
■約2年ぶりの発信…「新たな決断」
有働由美子キャスター 「香港の民主活動家・周庭(しゅうてい)さんが、日本語で明るくインタビューを受けてくれました。『(昨日)27歳になったので、新たな決断』と話しました。こうして姿を見せて発信するのは約2年ぶりになります」 「周さんは3日、インスタグラムに、9 月に香港を出てカナダ・トロントで大学院に留学していると投稿しました。そして『香港には多分一生帰らない』と述べ、事実上の亡命をしたことを明らかにしました。印象も随分変わりましたよね」 小野高弘・日本テレビ解説委員 「皆さんが知るのは、2014年の民主化デモ『雨傘運動』で“民主の女神”と呼ばれていたころの周さんでしょう。日本語と英語を駆使して、世界に向けて支援を求めていました」 「ところが2020年、無許可のデモを扇動したなどとして国家安全維持法違反の疑いで逮捕・収監されました」
■「一生帰れないのは重すぎて怖い」
小野委員 「その後どうしていたか、『zero』が聞きました」 ――保釈後の生活は? 周さん 「政治的な弾圧もあり、生活できない部分もあり、情緒的に不安定になっていて、結局心の病になってしまいました。不安障害とか、うつとか、PTSDとか…」 ――今回の決断に至った今の思いは? 周さん 「香港はどんなに悪い場所になっても私の家、私のふるさとなので、ふるさとから離れる、そして一生帰れないというのはあまりにも重すぎて怖いんですけど、出頭しに香港に帰ったらもうカナダに戻れないんじゃないかという恐怖もありました」
■「留学に行きたい」…示された条件は
有働キャスター 「やはり自由に行き来はできないということですね」 小野委員 「そもそも留学に行きたいと希望したら、条件を示されたといいます。それは、当局者と一緒に中国本土を訪れることでした。そこで中国共産党幹部らの業績を展示してある施設を見学させられたそうです」 「周さんは『愛国的な人にならないとパスポートは戻らない』と感じたといいます。周さんによると、今の香港は厳しくなり、元民主派は新しい銀行口座も作れない、商売をしたくても会社を開業できない、アパートや仕事を探すのも大変だそうです」