自民総裁選 所見演説と共同会見(全文1)いよいよ憲法改正に取り組むとき
安倍晋三候補の所見表明演説
安倍:安倍晋三でございます。所見を申し述べるに先立ちまして、まず冒頭、北海道胆振東部地震によりましてお亡くなりになられた方々に対しまして、衷心より哀悼の意を表します。そして全ての被災者の皆さまにお見舞いを申し上げます。政府としては発災以来、昼夜たがわず災害応急対応に当たってまいりました。献身的に、現場にあって被災者救出に全力を尽くしている自衛隊、警察、消防、海上保安庁、全ての関係者の皆さまに心から感謝申し上げたいと思います。被災者の皆さまが1日も早く安心して暮らせる生活を取り戻すことができるよう、政府が一丸となって総力を挙げて取り組んでまいります。 また、台風21号、西日本豪雨、そして大阪北部地震、また、熊本地震、そして政権奪還の原点である東日本大震災からの復興にも全力を尽くしてまいります。そして、電力インフラ、また空港などの重要な交通インフラについて、さまざまな災害に際してそのライフラインを維持することができるよう、全国で緊急に総点検を行い、その強靱化に取り組んでまいります。さらには集中豪雨など近年の気象の変化に対応し、防災・減災、国土強靭化のための緊急対策を3年集中で工事、安心できる強靱な日本をつくりあげてまいります。 さて、国民の皆さま、党員の皆さま、そして同僚議員の皆さま、このたび私は再び自由民主党総裁選挙に立候補いたしました。今回の総裁選挙は私にとって最後の総裁選挙であります。ですから、尊敬する石破茂候補とともに品格ある希望にあふれた総裁選挙にしていきたい、こう考えております。 私はこの6年間、自由民主党総裁として、私なりに全力を尽くしてまいりました。同時にさまざまなご批判もいただきました。もっと良いやり方があったのではないか、こうすればもっと国民の皆さまのご理解をうることができたのではないか。こう自らに問い掛けなかった日は1日たりともありませんでした。確かに私は至らない人間であります。新たな任期に挑戦するこの機会に、さまざまなご批判を真摯に受け止めながら、自ら顧みて、改めるべき点はしっかりと改め、謙虚にそして丁寧に、政権運営を行ってまいりたいと考えております。 今、この伝統ある自由民主党本部、大ホールの壇上に立ち、6年前の出来事を思い起こしております。突然に総理の職を辞任し、国民の皆さまに、そして党員の皆さま、同志の皆さまに大変なご迷惑をお掛けをした私に、果たして総裁選挙に立候補する資格があるかどうか、ずっと考えていました。当時は民主党政権下、決められない政治の下、政治、経済、外交、安全保障、混迷を深めていました。どんな厳しい批判があっても、いかに困難で厳しい道のりであったとしても、政権を奪還し、日本を取り戻す、その先頭に立つことは私の責任であると決意するに至りました。そして1回失敗した私が再び自由民主党の総裁の重責を担うことになりました。もう一度チャンスを与えていただいた、寛大な自由民主党に、そして皆さまに、また国民の皆さまに、そしてこの6年間、大変厳しいときも一致結束して、この至らない私を支えていただいた皆さまに、まずもって御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。