「あんな失点をしているようでは...」3得点で勝利した湘南戦後、新潟FW小野裕二があえて課題に言及「まだ相手の隙を突ける場面はある」
先制点は「早くボールに触ることだけを意識」
9月14日、アルビレックス新潟はJ1第30節で湘南ベルマーレとホームで対戦し、3-1で勝利した。 【動画】小野裕二の湘南戦の先制ゴール! 8分、貴重な先制点を挙げたのは小野裕二だった。相手ペナルティエリア付近で長倉幹樹のスルーパスに反応すると、身体を投げ出しながら泥臭くシュート。ボールは相手DFやGKに当たりながらゴールマウスに吸い込まれた。 まさに気持ちで押し込んだゴールを、小野は振り返る。 「コースとかを狙ったわけではなく、とにかく早くボールに触ることだけを意識しました。幹樹からパスを受ける準備はできていましたし、あのポジショニングを取れたところも含めて良かったのかなと。 (長倉との2トップは)非常にやりやすいです。彼の特長を活かそうと思ってプレーできているし、良い距離感で出来ています。僕らふたりだけでなく、(谷口)海斗や、今日であればシュウ(太田修介)など、周囲の選手と攻守で上手く関われています」 新潟は現在、リーグ戦6試合で無敗を継続(4勝2分)。湘南戦を含め、相手のプレスをビルドアップでいなし、敵陣に侵入する狙いを体現できているからこそ、勝点を重ねられているのだろう。そして、その中心には攻守に躍動する背番号99の姿がある。 小野はチームの好調ぶりを認めつつ、課題にも言及した。 「勝ったことは非常に嬉しいですし、内容の面でも、ここ数試合は自分たちのやりたい形を見せられていると思います。ただ、まだまだ相手の隙を突ける場面はあると思いますし、今日の最後もそうですけど、あんな失点をしているようでは上には行けません(90+3分に失点)。チームとして表現できている部分はありつつも、個々がレベルアップしていかなければいけないとも感じます」 現在10位とJ2降格圏(18位~20位)から離れている新潟だが、勝点では18位の磐田と8差(新潟が39、磐田が32)。若干の余裕はあるが、残留争いを脱したとはまだ言えない。 だからこそ、小野は気を緩めない。上手くいっているからと慢心することなく、常にチームの課題に目を向ける。経験豊富な31歳は、ピッチ内外でチームに好影響をもたらしていると言えるだろう。 取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)