「毎月5万円」をタンス預金にしています。必要なときにすぐ使いたいので「銀行」へ預ける予定はありませんが、特に問題ないですよね?
銀行破綻や万が一の事態に備えて、タンス預金をしている方もいるでしょう。タンス預金はしても問題ありませんが、メリットとデメリットを知っておく必要があります。 メリットとデメリットを知れば、タンス預金が自分に合っているのか分かり、またお金の管理方法なども決めやすくなるでしょう。今回は、タンス預金のメリットやデメリットを中心にご紹介します。 ▼タンス預金していた現金を銀行に預ける場合、「税金」の支払いは発生するの?
タンス預金はしていても基本的には問題ない
タンス預金そのものに違法性はないとされています。毎月5万円ずつタンス預金をしても、それが税金の申告が不要なお金なら特に問題はないでしょう。 ただし、適切に処理されていないお金だと税務署から指摘される可能性があります。例えば、相続したお金を申告せずにこっそり隠していれば、相続税の無申告や過少申告とみなされるでしょう。その場合、本来の税額だけでなく、ペナルティーとして追加で税金が課されるため注意が必要です。 また、贈与されたお金も同様で、1年で110万円を超える贈与があったにもかかわらず隠してタンス預金にしていると、追加で課税されるケースがあります。
タンス預金のメリットとデメリット
税金のルールを守ってさえいれば、毎月5万円をタンス預金すると税金が課されずに1年で60万円の貯金が可能です。ただし、タンス預金にはデメリットもあります。メリットとデメリットをよく理解したうえで、継続するか判断しましょう。 ■メリット タンス預金の大きなメリットは、手元でお金を管理できることです。必要なときに銀行へ行かずともさっとお金を用意できます。例えば、休日に身内が大きなけがをしてお金が必要になった際、銀行預金だと近くのATMを探さなければならないでしょう。しかし、タンス預金があれば家から必要な金額を病院にすぐ持っていけるため、対応が素早くできます。 また、銀行が破綻してもタンス預金は影響を受けません。銀行破綻の際、預金保険制度により一定金額までは保護してもらえますが、決められた金額を超えた分は対象外です。銀行破綻のリスクに備えて、一部を銀行に、残りをタンス預金にといった方法もあります。 もし認知症や死亡などによって口座が凍結されても、家族に伝えておけばタンス預金のお金でやりくりできるでしょう。特に、死亡時にはお葬式費用などでお金が必要になるでしょう。相続をする子どもや孫も、現金があることで助かる可能性があります。ただし、タンス預金も相続税の申告は必要になります。 ■デメリット タンス預金のデメリットは、災害や盗難により紛失する可能性がある点です。銀行に預けたお金は、銀行が営業していれば全国の支店やATMでお金を引き出せます。しかし、タンス預金は一度紛失してしまえば簡単には戻ってきません。火事で焼失すると、焼けてなくなった分は失われたことになります。 また、タンス預金の存在が外に広まると、泥棒に家を狙われるリスクも少なくありません。泥棒に入られると、お金がなくなるだけでなく、自分自身もけがを負う可能性があります。盗難を防ぐためには、お金の保管場所を頑丈な金庫にしておいたり、他人には存在を言わなかったりといった対策が必要です。 さらに、タンス預金で特に注意したい点が相続でしょう。タンス預金を相続人が知っていれば問題ありませんが、知らないままあとからタンス預金が出てくると、相続でのトラブルにもつながりかねません。 こうしたトラブルを防ぐためには、遺言書などでタンス預金の存在を知らせておくといいでしょう。
タンス預金自体は問題ない
タンス預金自体に違法性はないため、銀行に預けず毎月5万円を貯めても問題ありません。ただし、税金の申告が必要なお金を隠してタンス預金をすると税務署から指摘されるケースがあるため注意しましょう。 タンス預金は自分で好きなときにお金を取り出せたり、銀行破綻に影響されたりしないメリットがある一方で、紛失・盗難や相続トラブルが起こりやすいといったデメリットもあります。少しでもトラブルを回避するために、銀行口座と併用しながらお金を管理したり、家族にはタンス預金の存在を知らせておいたりすることをおすすめします。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部