長期ブランクから復帰のマリーゴールド翔月なつみ、初めてのベルトを守る立場で奮闘中!
「新しい世界を感じていきたいと思っています」
そして迎えた5・20後楽園ホールでの旗揚げ戦。翔月には、松井珠紗とのコンビで天麗皇希&後藤智香組とのタッグマッチが用意された。元アクトレスガールズ同士によるカードには、プロレス復帰組vsデビュー組という図式も込められている。 「小川さんもお客さんも、私たちの品定めにきてると感じましたね。『アクトレスからきた君たちってどれくらいできるの?』と問われているような。それをすごく感じました。結果としては私たちが負けてしまったんですけど、私と松井のペアに関しては今後を楽しみにしてもらえる技量は見てもらえたと思うし、天麗組にも華があって今後に期待してもらえる選手と感じてもらえたと思います。なので、旗揚げ戦はあのマッチメークでよかったと思っています」 ある意味で対抗の図式でもあった、翔月プロレス復帰戦。また、マリーゴールドは大きく分けて元スターダム勢と元アクトレス勢で始まった団体だ。そのなかで、翔月は両方を経験している稀有な存在でもある。 「そうですね。私の逆パターンが(アクトレスからスターダムに移った)桜井麻衣。最初のうちはお互いを気にしていた部分もあったとは思うんですけど、そのあたりは自分や桜井さんがなんとなく間に入っていたのかなと思います。(高橋)奈七永さんのように中立な立場の選手もいるし、最初の方に合宿があったので、そこが打ち解けるきっかけになったのかなとも思いますね。ただ、私はまだ元スターダム勢とのタッグがほとんどないんですよ。いずれはあると思いますが、(林下)詩美さんと天麗のタッグ結成がその先駆けなのかもしれませんね」 プロレスラーとして完全復帰した翔月には、ベルト奪取のチャンスがやってくる。新設のスーパーフライ級王座決定トーナメントにエントリーし7・13両国で勝利、初代王者の座に輝いた。しかも両国国技館は、ゴッデス王座奪取で初戴冠を成し遂げた思い出の場所でもある。 「タッグのベルトを取って以来の両国でもあったし、帰ってきたなという感じでした。そこには(紫雷)イオさんも奈七永さんもいらっしゃって、感無量でしたね。前回はタッグだったけど、今回はシングルで自分の力で取れた。それだけに帰ってきた意味のある試合にもなったし、タッグのときには悔しさもあったから、自分の中での栄光みたいなものを更新した瞬間でした。気持ち的にも、レスラーとしても、自信がつきました」 そうなれば当然、王者となった翔月には防衛戦が義務付けられる。振り返ってみれば、タッグのベルトは一度も防衛することなく彼女の負傷で返上された。ベルトを守る立場は、初めての経験なのだ。 「そうなんですよ。ベルトを取るときってホントに必死で、それだけを目標としているので、そのぶんパワーがあると思うんですけど、いざ守るとなると相手も絶対に取ってやると目をギラギラさせて挑んでくる。なので、守っていくことの大変さをいま、やっと学んでいるところです。しかもスーパーフライ級は体重55キロ以下でないといけないので、常に気が抜けません。その上で王者としての内容も見せないといけない。ベルトは取るよりも守る方が大変と聞きますが、ホントにそうですね。なので、これまでタイトルを守ってきたプロレスラーの方々をさらに尊敬の目で見ることができている状態です。そのなかで現在3回防衛できているので、このまま自分らしく守っていけるよう、コンディションを整えて闘っていきたいと思います」 プロレス界に戻り、プロレスラーとして、王者として充実の日々を送っている翔月。では、今後のビジョンはどうなのだろう? 「自分はいま35歳で、もうすぐ36になるんですよね。引退を考えるような年頃で復帰して、キャリアでいうと、ブランクがあるけどデビューからなら奈七永さんの次になっちゃうんですよ(苦笑)。マリーゴールドにはキャリアの浅い子がまだ多いし、これからもどんどんデビューしていくので、そのなかでタイトルホルダーとしての責任もありますし、たとえ第1試合だとしても常にいい試合をしないといけないプレッシャーがあります。なので、これから何をめざしていくかをしっかり考えないといけない。マリーゴールドをどうしていきたいのか、新しい世界を感じていきたいと思っています」 インタビュアー:新井宏
プロレスTODAY