秋を彩る映画の祭典! 第37回東京国際映画祭特集
Q&Aセッションでは、本作の制作経緯や斬新なカメラワークなど、興味深い質問が多かった『10セカンズ』。10年間のアシスタント業務を経て撮影監督となったゼイネップ・セジルさんについて「トルコでは、男性なら5年で撮影監督になれるのですが、女性ということでセジルさんは10年かかったんです」と話し、その才能に惚れ込んでいる様子のオズチェリキ監督。トルコの映画製作事情にも触れられるひと時となりました。
香港映画界の人気監督と注目俳優が登場とあって、多くの観客が詰めかけた『母性のモンタージュ』Q&Aセッション。タイトル(原題)に込められた意味や役作りまで、男性女性それぞれの視点からの意見が飛び交い、熱気あふれる場となりました。
“海外に紹介されるべき日本映画”という観点から選考された作品を上映する「Nippon Cinema Now部門」。独自の方法でアイヌプリ(アイヌ式)を実践し、自らのルーツを大切に暮らす家族の日常を追ったドキュメンタリー映画『アイヌプリ』。 そして「第36回東京国際映画祭」で「Amazon Prime Video テイクワン賞」を受賞したヤン・リーピン監督の初長編映画『雲ゆくままに』。 これからの日本映画界を担うクリエイターたちの作品群は、観客の注目を集めました。
映画祭初日、本作に出演している天内重樹さん、基輝さん親子と一緒にレッドカーペットを歩いた福永壮志監督。このことについて伺うと「アイヌの方が民族衣装に身を包んで東京国際映画祭に参加したことは、この映画祭では初の出来事。本当に特別な瞬間でした」と、誇らしげな表情。 そして、音楽を担当したOKIさんは「僕たちにとっては見慣れたシーンが多いけど、改めて自分たちの文化を映画で見た時、やっぱり俺たちは日本人と違うんだなと再確認しました」と、映画をご覧になったお気持ちを聞かせて下さいました。 本作の上映時は外国籍の観客も多く、上映後のQ&Aセッションではアイヌの文化のこと、そして本作の撮影意図など、様々な質問が投げかけられました。アイヌ文化について、様々なルーツを持つ人々が意見を交換する、国際映画祭ならではのプライスレスな時間となりました。