【女性の終活アンケート】祖母からの指輪をリフォームして娘へ。がん再発の度に泣きながら断捨離。義両親の死をきっかけに夫の実家を売却
創刊以来、《女性の生き方研究》を積み重ねてきた『婦人公論』。この連載では、読者のみなさんへのアンケートを通して、今を生きる女性たちの本音にせまります。人生の最後をどうしたいかと考え、準備を進めていく「終活」。しかしその中身は一言で括れないほど多岐にわたります。みなさんの取り組みのほどを聞いてみました。 今回は、終活を「している」と答えた方が、いつ頃から、どのようなことをしているかなど。寄せられた回答を見ていきましょう――。 【グラフ】現在、終活をしていますか?年代別グラフ * * * * * * * 【回答者数】193人 【平均年齢】64.95歳 【回答者の内訳】60代…61人/70代…51人/50代…39人/80代…18人/40代以下…17人/90代…4人/不明…3人 ◆Q. (終活に)利用しているサービスはありますか? 【その他の回答】 金融機関の資金相談 墓じまい・仏壇のサービス業者 衣料リサイクルのNPO法人 桐箪笥の専門業者 リフォーム業者 葬儀社など
◆Q. 終活中のエピソードを教えてください ●祖母からもらった指輪をリフォームした。金の高騰で費用は高くついたけれど、今後娘も着用できるデザインに仕上がったので、いい判断だった。終活は処分するだけでなく、次代にスムーズに引き継ぐことでもあると思った (51歳・専業主婦) ●繰り返しがんを再発した私。そのたびに、泣きながら断捨離をした。1年前、家族と話し合って尊厳死宣言書を作成。調べることが多く、何度も文章を書き直しながらすごく集中して作ったら、気持ちがすっきりした。そして、意外に死なないものだなと思った (52歳・パート) ●「死んだ後の話をするなんて縁起が悪い」と夫は終活を全否定する。彼は自分の相続の際、義姉の助けがあったため何の苦労もしなかった。だが、一人っ子の私の相続は本当に大変で、残りの人生では、もう何も残したくないと感じた。持ち物は可能な限り整理し、子どもたちには口座番号やパスワードをすべて伝えてある (53歳・専業主婦) ●自分の写真や学生時代の成績表、賞状など、どんどん捨ててしまったが、ときどき見直しては自分を励ますアイテムとして、もう少しの期間、取っておけばよかったかも(56歳・専業主婦) ●義両親の死をきっかけに相続した夫の実家を売却。私のきょうだいの住む町で手頃な中古住宅を購入し、転居した。私はきょうだいと行き来ができ、夫は趣味の温泉めぐりを楽しんでいる。夫婦の距離感もちょうどよい (62歳・専業主婦)
●自治体に出すごみ、業者に出すごみ、寄付するもの……仕分けに疲れました (70歳・自営業/年金受給者) ●エンディングノートに「娘たちより自分が先に逝くことを望む」と書いていたのに、3年前、私より先に娘が亡くなった (76歳・パート) ●不要になったハンドバッグ10個をリサイクル店に持っていったら、全部で500円でした。もったいないので2個持ち帰りました (83歳・農業) ●人づきあいの整理が難しかったが、盆暮れのやり取りをやめるところから始めた。終活は必要。やってみたら安心した(90歳・専業主婦/年金受給者) 次回は「終活をしていない」人の回答をご紹介します。どうぞお楽しみに!
「婦人公論」編集部
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