道路損壊をスマホ投稿で修繕 ── 愛知・半田「マイレポ」運用から2か月
市民らがスマートフォンを使って道路・公共設備の陥没や損壊を知らせ、修繕につなげていく愛知県半田市の「マイレポはんだ」の運用が始まって2か月が経過。道路の陥没や防犯灯の電球切れなどの問題が市民の投稿により発覚し、その大半が市によって修繕され解決されるなど、順調に成果を上げている。新たな「市民参加型の都市作り」の一例として、各自治体や議員からの反応も大きい。
スマホを使った市民参加型のまちづくりを推進
スマートフォンを利用した市民投稿システムは、全国で半田市と千葉市が採用。半田市は市民が発見した道路陥没などの問題を撮影し投稿すると、Webサイト上にその写真と状況説明、スマホのGPS機能から現場の地図が表示される。投稿された情報を確認した市の担当者は、すぐさま修繕に向けて対応するといった仕組みだ。写真などの情報がアップされるWebサイトは、スマホやPCから無料登録できるアプリ「FixMyStreetJapan」を使っている。 同市が「マイレポはんだ」の運用に乗り出したのは、先行して同様の取り組みを開始していた千葉市の例がきっかけ。市役所と市民が協働して地域の問題解決に取り組む「ちば市民協働レポート」を知った半田市は、「同じような仕組みで、市民参加のまちづくりができないか」と導入を検討。半田市はまちづくり計画に「市民協働都市」を掲げていることもあり、市民の力を市政に取り入れることは重要なテーマでもあったという。 半田市秘書広報課の担当者は「以前はパトロールで道路などの危険箇所を発見していたが、市の担当者の見回りだけでは隅々まで確認しきれていなかった。千葉市が行う取り組みは、市民が自発的にまちづくりに参加する理想的な形だと感じた」と話す。
市民から「画期的な取り組み」など前向きな反響アリ
2回の実証実験を経て、今年10月から「マイレポはんだ」の運用を開始。テレビや新聞などのメディアでも何度か取り上げられ、市民からは「どのように投稿すれば良いのか」「画期的な取り組みだと思う」など、利用に対して前向きな反応が市役所に向け寄せられている。 そんな中「スマホを活用したまちづくり」に興味を示した自治体や団体、議員関連者からの問い合わせも多いそうだ。「運用に必要な費用やコスト、実際に制度をはじめて実感する効果などをよく聞かれます」と話し、同制度が先進的な取り組みとして注目を集めていることを実感する。自治体や団体からは64件、議員関連者からは24件の問い合わせがあった。 大阪市では今年4~7月にかけて、同様の制度である「マイコミおおさか」の実証実験を敢行。半田市と同じく「FixMyStreetJapan」を利用し、大阪市内8区を対象として市民参加のまちづくりを呼びかけた。半田市と千葉市の取り組みを例に、同様の試みは今後も全国的に大きな広がりを見せそうだ。