「応募が来ない」「来ても定着しない」「ハズレが多い」......悲鳴続々!「バイト不足」のしんどい話
経済界、特に中小企業では「人手不足」が大きな課題になっているが、アルバイト募集でもそれは同じ。さらに"スキマバイトアプリ"の隆盛により、雇う側の立場がかつてないほど弱くなっているのだという。現場で働く店長たちの嘆きの声を集めた! 【写真】悲鳴をあげている求人張り紙 * * * ■〝急募〟が競い合い時給を釣り上げる 東京都内の繁華街、新宿・歌舞伎町では、アルバイト募集の張り紙を掲示する飲食店が目立つ。内容を見ると、「週1回3時間からOK」「茶髪・ピアス・タトゥー・ヒゲ・ネイル ALL OK!!」「まかない食べ放題」など、働き手になんとか来てほしいという切迫感が伝わってくる。 時給額は低い店でも1200円、高い店だと1400円。都の最低賃金(時間額1113円)を大きく上回る設定だ。時給1300円で急募をかけていた格安居酒屋の中国人オーナーが言う。 「時給を高くしてるのに、応募が全然来ない。日本人も中国人も、ベトナム人も!です。人手が足りないから平日の深夜営業をなくし、週末には2階のフロアを閉鎖してお客さんの入店を制限せざるをえない日もあります」 全国に200店舗超を構える大手居酒屋チェーンの都内店舗の店長もこう話す。 「もともとうちの従業員は学生バイトとフリーターが大半ですが、時短営業のコロナ禍では、社員主体で店を回してバイトは最小限に絞っていました。 昨年5月にコロナが5類感染症に移行され、フル営業に戻した際、店に在籍する従業員に『通常の勤務に戻ってほしい』とLINEや電話で連絡したのですが、なかなか応答がなく......。結局、復帰してくれたのはコロナ前の半数止まりでした」 そこで新たにバイトを募集することになったのだが......。 「今年1~3月の3ヵ月間、総額30万円かけて大手求人サイト2媒体に求人情報を載せましたが、採用はゼロ。当社では最低賃金で募集するのが通例ですが、それでは見向きもされない。上司のエリアマネジャーの許可を受け、4月から時給1200円に上げて募集しても、4月15日時点では応募すらありません」 なぜこんなことに? 前出の中国人オーナーと居酒屋店長が口をそろえるのは、〝スキマバイト〟のマッチングアプリの影響だ。 スマホ上でいつでもどこでもヒマな時間に稼げる単発バイトを検索でき、面接も履歴書も不要、気に入った求人に応募して最短なら1、2時間後にはバイトに入る。そんな手軽さが受け、同アプリ市場はコロナ禍で急伸。「タイミー」「シェアフル」など大手4社の登録者数は合計1000万人を突破している。 「アプリ内では、突然の欠員を埋めたい事業者同士が〝急募〟という形で競合し合うため、時給相場が高騰しがち。デリバリーから引っ越し、庫内作業、介護まで、多業種にわたって時給1300円を超えるような高給募集があふれていて、われわれが重宝していた学生バイトやフリーターの多くが流れているんです」(大手居酒屋チェーン店長)