【F1】“パパイヤルール”撤廃でダブルタイトルに近づくも、ノリスは「タダで与えられたチャンピオンを誇りに思うことはない」と断言!
F1マクラーレンチーム代表のアンドレア・ステラ氏は、前戦イタリアGPでフロントローを独占しながらもチームメイト同士でバトルをして優勝を逃したことを受けて、互いが自由に競うことを許可する通称“パパイヤルール”を廃止し、ランキングをリードしているランド・ノリスを基本的に優先させるチームオーダーを今週末のアゼルバイジャンGPから適用すると話した。 【画像】世界を舞台に活躍する日本人F1ドライバー、角田裕毅のオフの表情を大特集! イタリアGPでは1周目にトップを走行していたノリスをチームメイトのオスカー・ピアストリがオーバーテイク。その後もピアストリがノリスのアンダーカットを阻止するためにセオリーより早めにピットインするなど、他チームよりもチーム内での順位争いに固執する場面が見られた。結果的に序盤からハイペースでレースを進めた両者が2ストップを余儀なくされた一方で、着実にペースを保ち1ストップを完遂した地元フェラーリのシャルル・ルクレールに優勝をさらわれた。ワンツーフィニッシュしていればコンストラクターズランキングでレッドブルを抜いて首位に躍り出ていたものの、お預けとなってしまった。 英国の公共放送局『BBC』によると、ステラ氏と両ドライバーを含むチーム関係者はイタリアGPの後にミーティングを開き、コンストラクターズとドライバーズのダブルタイトル獲得のために“パパイヤルール”の廃止を決定。ステラ氏は「これ以上見たくないのは、モンツァのようにシケインにP1/P2に入り、P1/P3で出るような状況だ。それはチームにとって不利益だ」と話した。また、両ドライバーはこの決定に「非常に協力的だった」と言い、「オスカーに『勝利を諦める覚悟はあるか?』と言った時でさえ、彼は『辛いことだが、それが今正しいことなら、私はそれをする』と語ったんだ」と続けた。 チームオーダーの適用における基準については明言を避けたものの、状況に応じて判断を下していく予定だといい、加えて常にノリスを優先させるようなものでもないという。専門メディア『Motorsport-Total.com』によると、ノリスは「必要な時にオスカーの助けを得ることが大事だけど、それでも彼が勝利のために戦い、それに値するなら、彼は勝つべきだよ」とあくまで自身の実力でチャンピオンを獲得することを強調。「誰かから何かを奪いたくはないし、タダでチャンピオンシップを与えられるのも嫌だ。もちろん、タイトルを獲得することは素晴らしいことだし短期的には嬉しいかもしれないが、長期的にそれを誇りに思うことはないと思う」と続けた。 一方でピアストリも「全てのレースで、全ての決断でランドの後ろにいることになるわけではない。チャンピオンシップで自分が達成したいことはまだあるからだ」とあくまでセカンドドライバーではないとの姿勢は保ちつつも、「世界は自分を中心に回っているわけではないことはわかっている。だから、シーズンのこの時点でサポート役を演じることができて嬉しいよ。以前は誇張されていたかもしれないが、今はチームのダブルタイトル獲得の助けになるのにふさわしい時期だ」とチームプレイヤーとなる意向を示した。 アゼルバイジャンGP決勝前の現在、マクラーレンはコンストラクターズランキングで首位レッドブルとわずか8ポイント差の2位、さらにノリスはドライバーズランキングで首位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と62ポイント差の2位、ピアストリも106ポイント差で4位につけている。今回の決断が残り8戦のランキング争いに大きく関わることになる可能性は高そうだ。 構成●THE DIGEST編集部
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