ビットコイン、10万6000ドル超の史上最高値から下落──FRBがタカ派的利下げか
ビットコイン(BTC)はアジア取引時間序盤に10万6000ドル超まで急騰し、史上最高値を更新したが、米連邦準備理事会(FRB)による今後の利下げが懸念されるなか、10万4500ドルに急落した。 FRBは政策金利を25ベーシスポイント引き下げ、4.25~4.5%の範囲にすると予想されており、9月以降合計100ベーシスポイントの緩和となる。だが、それに伴うFRBのコメントがさらなる緩和への期待を抑制し、利下げによる強気な影響が弱まる可能性があると懸念されている。 FRBは米東部時間12月18日14時に金利決定、ドットプロット(金利予測分布図)、経済予測を発表する。その30分後に、ジェローム・パウエルFRB議長による記者会見が予定されている。 9月18日に発表された前回のドットプロットでは、2026年末までに2.5ポイントの利下げを行い、金利を3%未満に押し下げると予測していた。一部の観測筋は、FRBが12月18日にこの予測を引き下げると考えている。 「来年の利上げは、9月に経済予測サマリー(ドットプロット)で予想されていたよりも少なくなり、“タカ派的”利下げのリスクがあると我々は考えている。これは、経済が以前の予想よりも力強く、インフレが不安定なためFRBが忍耐強く対応すると認識しているからだ」とバノックバーン・グローバル・フォレックス(Bannockburn Global Forex)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、マーク・チャンドラー(Marc Chandler)氏は15日のニュースレターで述べた。 予測が、利下げペースを緩めたり利下げ回数を減らしたりすることを反映していれば、米国債利回りとドルは最近の上昇基調が継続する可能性が高く、ビットコインを含むリスク資産は最近のような強気相場を維持するのが難しくなる可能性がある。
強気相場は継続か
とはいえ、季節性の観点ではビットコインにとってかなり強気であり、ドナルド・トランプ次期大統領が暗号資産(仮想通貨)に対して前向きな規制の雰囲気を出しているため、FRBがタカ派的姿勢を取っても暗号資産に長期的な影響は及ばないかもしれない。 そのうえ、FRBの利下げは依然として検討中であり、中国の金融緩和も予想されるため、ビットコインの強気相場は維持されるだろう。 「今後の利下げペースについて多くの議論が交わされるだろうが、世界的な中央銀行の利下げサイクルや中国が推進することになる世界的な流動性の増加という支援的なマクロ環境が揺らぐことはほとんどない」とニュースレターサービスのロンドン・クリプト・クラブ(LondonCryptoClub)の創設者らは述べている。 今週後半には、FRBが重視するインフレ指標であるコアPCE価格指数が発表される。これにより、最近の消費者物価インフレの上昇が一時的なものなのか、それとも本格的なインフレ回復の兆しなのかが明らかになるだろう。 |翻訳・編集:廣瀬優香|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Soars to Record High Above $106K, Then Retreats as Hawkish Fed Rate Cut Looms
CoinDesk Japan 編集部