米小売売上高、11月は0.7%増 自動車販売好調で予想上回る伸び
[ワシントン 17日 ロイター] - 米商務省が17日発表した11月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.7%増加した。自動車やオンライン販売の加速に支えられ、エコノミスト予想の0.5%を上回って増加した。 米連邦準備理事会(FRB)が17─18日に開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを行うとの見方には影響を与えなかった。 FWDBONDSの主任エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「市場は25ベーシスポイント(bp)の利下げを織り込んでいる。しかし消費者が依然として自動車など金利に敏感な商品を購入しているのであれば、理性的な市場ウオッチャーなら、1月末に歴代大統領の中で最も成長志向の政策を掲げるトランプ氏が大統領に就任するのを控え、FRBがなぜ火に油を注ぐのか疑問に思わざるを得ないだろう」と述べた。 11月の前年同月比は3.8%増だった。 歴史的に低い解雇率と力強い賃金上昇を見せる労働市場の回復力が消費支出を支え、経済拡大を軌道に乗せている。記録的な株高と住宅価格の高騰を反映し家計のバランスシートが強固であることも支出をけん引している。 10月は0.5%増と、当初発表の0.4%増から上方改定された。 感謝祭の祝日が遅れたためにサイバーマンデーが12月にずれ込んだにもかかわらず、11月の小売売上高は堅調に増加した。年末商戦の好調なスタートとも一致している。 自動車販売店の売上高は2.6%増加した。これはハリケーン「ヘリーン」と「ミルトン」で被害を受けた自動車の買い替えの影響が大きいとみられる。オンライン小売売上高は1.8%急上昇した。 建築資材および園芸用品の売上高は0.4%増加した。これもハリケーン被災地域の復興需要とみられる。スポーツ用品、趣味用品、楽器、書店の売上高は0.9%増加した。電気・電化製品や家具の売上高も大きく伸びた。 一方、サービス部門として小売統計に唯一含まれる飲食店は0.4%減少した。10月は0.9%増だった。エコノミストは外食を家計の重要な指標とみなしている。 衣料品は0.2%減、食料品も0.2%減少した。その他小売店の売上高は3.5%減と、前月に引き続き減少した。ガソリンスタンドの売上高は0.1%増加した。 自動車、ガソリン、建築資材、食品サービスを除く小売売上高は0.4%増。10月は0.1%減と、当初発表から改定はなかった。