月収が手取り12万円で、国民年金の保険料が高すぎて払えません。「滞納」しか残された道はないのでしょうか…?
先日、仕事で休みが重なり月収が手取り12万円になったという方から「国民年金保険料が払えない」と相談がありました。このように、収入が低く国民年金保険料が払えないという場合、どうすればよいのでしょうか。その対応について解説します。 ▼年金機構から「差し押さえ」の手紙が届いた! 口座残高「ゼロ円」で差し押さえる財産がなければ大丈夫?
国民年金保険料は何円?
「国民年金保険料の支払いがきつい」と思っている方は少なくないでしょう。実際、令和6年度の国民年金保険料は月額1万6980円です。年間でおよそ20万円となり、いかにその金額が大きいかが分かるでしょう。 月収12万円の方にとっては、この年金保険料は、毎月手取りの14%に相当する金額です。12万円の中からこの保険料を払えば残額は10万円ほどとなり、健康保険税や家賃、光熱費を考えると、生活は非常に苦しいものとなるでしょう。特に一人暮らしをしているような場合、払えないというのも無理はありません。
年金には免除や猶予の制度がある
国民年金保険料は、毎月支払っていくことが原則です。しかし、所得が低くそれが難しいという場合、「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」という制度を用いて、支払いの免除・猶予を受けることができます。 「免除」とはその名のとおり、支払いが免除されるものです。免除には所得含む所定の条件に応じて、「4分の1免除」から「全額免除」までの4段階があります。また、同様に「猶予」とは支払いが猶予されるもので、後日追納が必要になります。 免除と猶予は、ともに所得(収入から各種控除を差し引いた金額)が一定額以下でなければなりません。 仮に、年間で受けられる控除が103万円としましょう。例えば月収15万円、手取り12万円、年収換算で180万円を得ている方の場合、この103万円の控除を受けると、年間の所得は77万円です。4分の3免除であれば、十分可能な額になります。 4分の3免除に該当するには、88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の範囲内に所得があればよいとされています。手取り12万円であれば十分に該当します。 なお、「国民年金保険料が支払えないから」と放置すると、最悪の場合、自身の財産が差し押さえられる可能性もあります。「支払いが困難だから」と放置せず、絶対に免除や猶予を受けるようにしてください。