高齢女性の「還付金受け取り期限が…」に詐欺確信、被害防ぐ JA職員「事件は身近に起きると実感」
特殊詐欺の被害を食い止めたとして、兵庫県警赤穂署はJA兵庫西有年支店(同県赤穂市有年横尾)に感謝状を贈った。対応した同支店職員の中村芳生さん(51)は「事件は身近に起きると実感した」と振り返った。 【写真】事実婚申し込まれ、マンション共同購入話にうっかり 農協の2職員が窓口で声かけ 11月12日午後2時ごろ、同支店の窓口で、慌てた様子の高齢女性が「還付金があるからATMに来てほしいと言われたが、電話がかかってこない」と中村さんに声をかけた。接客で顔見知りの間柄だったという。 中村さんが別の部屋で話を聞いたところ、同日午後1時ごろ、年金機構を名乗る男から女性宅に「きょう還付金の受け取りの期限が切れる」「ATMで手続きをするのでキャッシュカードと通帳を金融機関に持って来て」と電話があったと分かった。詐欺だと確信し、報告を受けた上司が署に通報したという。 同署管内のJA兵庫西では今年、7月に坂越支店、10月に塩屋支店でも詐欺被害を未然に防いだ。24日に中村さんに感謝状を手渡した棟広正幸署長は「高い意識を持ち、署では行き届かない部分をフォローしてもらっている」と感謝を伝えた。(小谷千穂)