オリックスとロッテの攻防は最後まで分からないと思う。セの首位・ヤクルトは優勝へ理想的なチームになった【岡田彰布のそらそうよ】
劇的な宗の同点弾これがどう影響するか
10月12日のオリックス対ロッテ戦での8回裏、宗の同点弾は05年の阪神・中村豊の一発を思い出させたよ。これで優勝へ一気に行きたいがどうなるか、結果を楽しみにしている[写真=佐藤真一]
胃が痛む。食事が喉を通らない。そんな夜が続く。それが優勝争いの中で起きる異変だ。あのシーズンもそうだった。2005年、いまから16年も前のこと。それでも、はっきりと覚えている。特に強烈だったのは9月7日のこと。中日との直接対決。優勝を左右する大一番やった。 審判の判定により、ゲームの流れは定まらない。波乱に満ちた一戦やった。そしてもつれにもつれた末の延長11回。ここで信じられない光景が……。途中出場だった中村豊が、優勝を手繰り寄せる一発を放ってくれたのである。金本知憲が打ったなら奇跡ではない。控えの中村豊が打ったのだ。そのときに思った。「優勝するときって、こういう信じられない力が生まれるんや」と。 そんな感覚がよみがえった。それはパ・リーグの首位決戦。10月12日のオリックスとロッテ戦(京セラドーム)だ。リードされていたオリックスは終盤を迎えていた。敗色濃厚の中、宗(宗佑磨)が8回裏に同点2ランを放った。これで負けなかった。引き分けに持ち込んだ。チームにとって、とてつもなく大きいホームランだ。それをテレビで見て、「オリックス、優勝できる!」と思った。こんな劇的なシーンが起きるってことは、05年、あのときと同じやないか。優勝するとき、ホンマ、こういうことが起きるのである。 でも・・・
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週刊ベースボール