若手の胎動、子どもの笑顔が輝いた「ツアー・オブ・ジャパン」野島裕史&大会組織委員会委員長・栗村修「後半4ステージ」を振り返る
◆5年ぶりにTOJキッズが復活!
野島:それでは3つ目をお願いします! 栗村:「第7ステージ・相模原ステージ、子どもたちの笑顔が会場の素晴らしい雰囲気を作り出した」です。 野島:今回は温かいお話が多いですね。 栗村:そうなんです。以前から“TOJキッズ”という企画があり、子どもたちがレース会場に来て、自転車スクールで自転車の乗り方を学ぶことができます。さらにはTOJの素晴らしいところのひとつなんですが、地元の子どもたちが表彰台のプレゼンターをつとめているんです。ただ、これは(コロナ禍で)止まっていたんですよね。 大会前にこの番組でもお話させていただきましたが、今回そのTOJキッズが5年ぶりに復活し、これが各ステージにピッタリハマったんです。特に相模原ステージはいい天気で過去一番の観客が集まって、しかも相模原ステージはコロナ禍に生まれた(ステージな)ので、そもそもTOJキッズをやったことがなかったんです。 野島:そうなんですね! 栗村:相模原ステージはTOJキッズ初体験だったんですけど、子どもたちが見事にハマってくれたというか、みんな実にいい笑顔をしてくれました。レースも逃げ切りの展開だったのですが非常に素晴らしく、本当にたくさんの笑顔が見られたレースでした。 野島:子どもたちが表彰台に上がるのは評判がいいんじゃないですか? 栗村:そうですね。しかも、この後の東京ステージのプレゼンターの女の子はTOJキッズ史上最年少。お母さんと一緒じゃないと(ステージに)上がれない感じでしたが、(選手などと)ハイタッチをしてくれたり、もう完璧というか200万点で選手たちもみんな笑顔でした。 野島:表彰台で毎回選手がしゃがんで記念撮影をするのはなかなか新鮮な感じがしました(笑)。あとは、写真が家族写真みたいな雰囲気になっているのも面白かったですね。
◆栗村&野島が感動した、今大会を象徴するシーンとは?
野島:最後、4つ目をお願いします。 栗村:「最終日、SPEEDチャンネル東京ステージ、声優界随一のサイクリストが魅せた1分逃げ」でございます。 野島:これはどういうことなんでしょう(笑)。 栗村:各ステージでレースが始まる前に、ゲストライダーの方々が(パレード走行を)走って、その後に(選手が)スタートするんですけど、そこで野島さんが魅せてくれました! 先週も話しましたが、大会前に私が野島さんに「1分先行してください」とお願いしていて、それを野島さんは見事にやりきってくださって。 野島:いや、だから(選手よりも)1分前にスタートしていますから(笑)。 栗村:それはいいんです。事実は事実、これは敢闘賞か何かを差し上げないといけないかなと。 野島:僕の印象としては、ぶっちゃけ(パレード走行は)いつも選手と近いところを走っているので、観客の皆さんは選手を見ているんですね。ですが、今回はゲストライダーに手を振ってくれたり、拍手をしてくださるのでとても気持ちよかったです。それにしても今年は本当にお客さんが多くて盛り上がっていましたね。 栗村:僕は(レース中)先導車に乗っていたので見ていないんですが、最後に一際盛り上がった瞬間があったと聞いています。今回は“ニュージェネレーション”をテーマに話してきましたが、レースには学生代表として京都産業大学が出ていたんですよね。 ただ、やはり厳しいTOJ、6人出走して最後まで生き残ったのは1人でした。その1人残った森田叶夢選手が最終ラップで飛び出し、その瞬間に会場が沸いたそうですね。 野島:そうなんです! あれはジーンときましたし、会場が盛り上がりました。あれこそ鳥肌ものでした。 栗村:彼は脚力・体力はあるものの、ちょっとメンタルに自信がない選手で、TOJ前も「僕、自信がないんです」って監督に漏らしていて。実は(レースの)スタート前に彼と話をしたんですよ。「もう最後だから何か魅せよう」と。 そこで「僕はそういうプレッシャーに弱いんで」みたいなことを言っていた彼が、最後の最後に自分を出して世界の若い選手に挑戦した。あの姿はある意味今年の大会を象徴するシーン、チャレンジでしたね。 野島:まさに! それを最初から言ってくださいよ! 栗村:そうですね(笑)。