車体重量120トン級、日立建機が超大型ショベル量産
インドネシアで、鉱山向け堅調
日立建機は11月からインドネシアの工場で車体重量120トンクラスの超大型油圧ショベルの量産を始める。約18億円を投資して増築工事を行い、年産20台程度の専用ラインを整えた。現在は常陸那珂臨港工場(茨城県ひたちなか市)で生産しているが、石炭鉱山などが豊富な同国での生産に切り替えて需要の増加に対応する。鉱山向け超大型ショベルは世界的にも需要が堅調に推移しており、グローバル生産体制の構築も視野に入れて整備する。 量産するのは、現地法人のPT日立建機インドネシア(西ジャワ州ブカシ市)のチビトン第二工場(同市)。同工場は敷地面積10万平方メートルで、延べ床面積が1万8000平方メートル。中型油圧ショベルの生産に加え、超大型油圧ショベルの溶接構造物も生産している。 今回、設備投資で床面積9000平方メートル分を増築。超大型ショベルの組み立てスペースや生産設備を新設して量産が行えるようにした。増築エリアでは高い溶接技術を生かし、ショベル以外に超大型ダンプトラックの足回り部品も生産する。 日立建機の鉱山機械事業の売上高はアジア向けが45%と約半分を占めており、その多くがインドネシアだ。特に120トンクラスのショベルでは、アジア比率は53%に高まるという。 建機各社のインドネシア事業をめぐっては、住友建機も同国の工場を活用。作業熟練度を向上する取り組みを推進し、高採算の林業機械を生産して北米向けの輸出を増やす施策を進めている。