ダメなリーダーは「責任をとる」と言う。優秀なリーダーは何をする?
● 優秀なリーダーは「勝つために何をすべきか」考える 木暮:多くの人はそもそも責任をとるということが何を指しているのかよく分かってないのですが、分かっていたとして、じゃあ責任を取って辞めればいいのかというと、それもおかしな話なんですよね。 というのも、目的はアナタが辞めることではなくて勝つこと、つまりゴール達成をすることです。 それができなかった場合、戦国時代だったら打ち首になりますけど、そうならないためにまずは勝てるよう頑張ります、というのがリーダーの本来の役割なわけです。 「責任をとる」と言っているリーダーは、最初から負けたときの話ばかりしていて、「勝つために何をすべきか」という意識がすっぽり抜けているような気がするんです。 ――著書を拝読していて、リーダーの役割は責任をとることではなく、責任をとらなくてはいけないような事態にならないために何とかすることだと初めて気づきました。当たり前のことなのに、実は意外とみんな気づいていない気がします。 木暮:その通りで、前段として勝つためにアナタはいるのに、なんで負けたときのことを話しているんだ、と強く違和感を覚えます。 ● 「今日、何をしなければいけないか」伝える ――勝つために大事になってくるのは、やはり言語化でしょうか? 木暮:僕が思うリーダーの役割は、「勝つために何をしなければいけないか」というチームのゴールを作り、さらにそのために何をしなければならないかという具体的な作戦を立て、それを明確にメンバーに伝える、というものです。 サッカーの日本代表なら、ワールドカップで勝つことが日本チームの向かうべき方向だとすると、そのための前哨戦などで何を得るのかということは指揮官が決めますよね。「こういうことを試して本戦に生かす」とか。毎回指揮官が今回のチームは何をすべきかというゴールを決めて、「これに向けて今日はこれをしましょう」と選手たちに言っているはずなんです。 以前の記事(「“自分で考える部下”が欲しい」はリーダー失格。いま、リーダーに求められていることとは?)で詳しく説明していますが、スポーツの監督と同じように、リーダーも部下が「求められている成果」を出すために「今日、何をしなければいけないか」を明確に言語化し伝えなければいけません。リーダーの仕事は責任をとることではなく、メンバーのアクションを明確にすることなのです。
木暮 太一