「サブウェイ」がなぜワタミに?考えられる3つのメリット、素人には「オーダーが難しい」問題は改善できるのか
■デジタルツールを使いこなせるか また、デジタルツールの活用では、店舗のオペレーションにいかに組み込んでいくかという視点も重要だ。オーダーがスムーズになったのに、スタッフの動きが悪くて提供が遅いままでは意味がない。 その点もワタミは 高いノウハウを持つ。特に同社が展開する「かみむら牧場」は、テーブルオーダーシステムはもちろん、特急レーンや配膳ロボット、順番待ちシステムなどを導入し、スタッフの業務負担を減らしながら、より人がやるべき仕事に集中できる環境を整え、顧客満足度を高めたブランドとして知られている。
サブウェイでは、オーダー後のスタッフのオペレーションの遅さを指摘する声は多い。だからこそ、限られた人数でオーダーから提供までの時間をいかに短縮するかは重要な経営課題になる。顧客満足度を高めるためにも、その取り組みは必須になるだろう。サブウェイもDXを推進してきたが、ワタミと一緒になることで、その動きが加速することも期待できる。 3.FLRコスト削減につながる 店舗のオペレーションにおいてもう1つ重要なのがコストコントロールである。特に、コストの高騰が進み、利益が出づらい経営環境になっている今、その視点は非常に大切だ。
そこで重要になるのがFLRコストにほかならない。FはFood(原材料費)、LはLabor(人件費)、RはRent(家賃)を指していて、一般的な飲食店の場合、FLRコスト比率は70%が目安だと言われている。 とはいえ、サブウェイはファストフード業態なので、70%に収めるのが難しい。そもそも立地はある程度いいところに出さざるを得ないので、Rの家賃を抑えるのが難しい。そのため、Fの原材料費と、Lの人件費をうまくコントロールしていく必要がある。
その実現のためにも、ワタミと一緒になったメリットが発揮されるのではないか。まず原材料費でいうと、ワタミは自社農園のワタミファームを中心に、生産者とも連携しながら有機農業に力を注ぐ。 昨今野菜の仕入れ価格が高騰する中で、質の高い野菜を安定的に確保できるメリットは大きい。その他の食材についても、両社合わせて500店舗近くの体制になるため、これまでよりもスケールメリットが働き、コストを押し下げる効果を発揮するだろう。