「サブウェイ」がなぜワタミに?考えられる3つのメリット、素人には「オーダーが難しい」問題は改善できるのか
■外国人人材を活用しやすくなる? もう1つの人件費については、人手不足の問題と切っても切り離せない。現在、外食業界では人が採用できないので、高い時給で募集せざるを得なくなっており、それが人件費の高騰に結びついている。店舗を拡大していく際、適正な人件費の中で、いかに人手を確保していくかは大きな課題になる。 その点、ワタミは傘下で人材サービス事業も手がけており、特に海外人材の紹介にも、かなりの強みを持つ。もともとサブウェイでは多様な国の人材が活躍しているので、そうしたリソースを活用できるメリットは小さくない。外国人材の確保を人族に進めることができたら、その分、店舗の拡大もスムーズに進むだろう。
ただ、懸念点がないわけではない。特に企業文化の統合がうなくいかなった場合、これまで述べたようなシナジー効果が発揮されないまま、店舗数が伸びあぐねることも考えられる。 ワタミは、創業者でもある渡邉美樹氏の強力なリーダーシップで成長を遂げてきた企業だ。同社は理念を大切にしているが、その中心にも「創業の思い」がある。 ■サブウェイはボトムアップ型で伸びてきた 一方で、サブウェイは経営権が変わりながらも成長できたのは、ボトムアップ型の組織だといえるだろう。実際、採用情報サイトの「Brand objectives」には「サブウェイに携わる一人ひとりが「感動を生む」行動を起こし続ける。」という言葉がある通り、それぞれの自主性を重んじた文化が根付く。
しかし、そもそも日本の居酒屋と、外資のファストフードなので文化は違って当たり前である。3000店舗という大きな目標の達成のためにそれをどう乗り越えいくだろうか。
三輪 大輔 :フードジャーナリスト