鉄塔、日本一の高さ誇るのは? 「わたしの推し鉄塔」でも人気の雄姿
発電所から変電所へと送電線を通す鉄塔。中国電力ネットワーク(中電NW、広島市中区)管内では総延長約8800キロの送電線を約2万基が支える。景色に溶け込むその姿には根強いファンも多く、同社が昨年開いた写真コンテスト「わたしの推し鉄塔」には約340点が集まった。 【写真】4基が上部で一つにつながった鉄塔(広島市西区庚午南) 形や大きさはさまざまだ。中電NWの社員に「推し鉄塔」を聞くと、広島県竹原市に日本一のものがあると分かった。本土側の忠海床浦と大久野島(忠海町)を結ぶ2基で、高さがいずれも226メートル。約2キロの海をまたいで送電線を通すには高さが必要だったという。 他にも、通常より多くの送電線を接続するため4基の鉄塔を上部でつないだタイプが広島市西区庚午南にある。部材が縦横に交わり、複雑な模様を描く。 コンテストでは、瀬戸内の多島美や夜景の中で存在感を示す鉄塔が高い評価を受けた。審査員を務めたシンガー・ソングライターの南壽(なす)あさ子さん(35)は「天候や時間ごとに表情が移ろうのが魅力」と話す。 南壽さん自身は「巨大な人のように、どっしりとした姿が幼い頃から好き」という。「ぼくも君のように変わらない姿でいたいよ」と歌った「鉄塔」は2019年、NHK「みんなのうた」で放送された。「高い所から遠く未来まで見渡しているみたい」と憧れを語る。
中国新聞社