「授業中に奇声」底辺校生徒追い詰めた“家庭の闇” 若手教師が2つの低偏差値校の指導で見た光景
そうなるとこちらも心がしんどくなりますね。そうならないようにするためにも、教員側が率先して学習環境を整えたり、時間を守ったりすることで、指導ができる信頼関係を作ることが大事です」 現在も教育困難校の勤務を続ける浜岡さんは、最後に「高校生に自己責任を押し付けるのは残酷だ」と自分自身の経験から、一般の人々にも、教育困難校に対して、もっと知ってほしいと語ってくれました。 ■どうしようもない家庭環境で育つ子どもたち
「以前の勤務先の話ですが、父親の愛人が家に来てお金を取られるとか、息子のバイト代を没収するなど、そういうどうしようもない家庭環境に生まれる子どももいるのですが、そういう家庭の子に『家で勉強しろ』と言うのは無理な問題です。(そういう子たちは)家が居場所じゃないので、学校にいたいという子も増えています。 学校にいたいから部活に入ったり、家にいたくないからとバイトしたりする子が多いですし、場合によっては彼氏の家から登校している子もいます。そういう家に居場所のない子たちを自己責任だと言うのは残酷だと思います。『教育困難校』と言われていても、必死に頑張っている子はたくさんいるのだということを、多くの方に知ってもらいたいですね」
濱井 正吾 :教育系ライター