のんびり派にはうれしい!元日にしてはいけない家事とは?【年末から年始のマナー】
おせち料理やお屠蘇を食卓に並べたり、初詣に出かけたり、お年玉を配ったり…けっこう「すること」の多い元日。反対に「元日にしてはいけないこと」もあるんです。しかもこれが、年末の忙しさでお疲れ気味の方には、うれしい「タブー」ばかり! 「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に、そんなお正月のタブーを聞いてきました。 【マンガで確認】小学生に渡すお年玉、いくらが正解? ■元日くらいは掃除も洗濯も料理も堂々と休もう! お正月にはさまざまなやるべきことがある一方で、やってはいけないこともあります。 その一つが、元日の掃除です。 「元日に掃除をすると、わざわざやってきた年神様を『掃き出す』ことになり、縁起が悪いとされています。洗濯も神様を水で洗い流すことになるので、避けた方がいいでしょう」(岩下先生) 掃除や洗濯のほかに、料理もタブーとされています。 理由は諸説ありますが、一つは「かまどの神様に休んでいただくため」というもの。 昔は、あらゆる場所に神が宿ると信じられていたため、煮炊きに使うかまどにも神様がいると考えられていました。 そのかまどの神様に休んでいただくために、「お正月には調理済みのおせち料理を食べる」という習慣が生まれたと言われています。 お正月に料理をしない代わりに、前年の大晦日までにおせち料理が準備されるようになりました。 そのため、昔ながらのおせち料理には生物は入れず、煮物や焼き物など日持ちするものが中心になっています。 「掃除や料理がタブーとされるもう一つの理由は、普段家事を担う人に休んでもらうためでもあります。お正月ぐらいは家事を休んで、家族とゆっくり過ごせるように、という労いの意味も込められているんです」(岩下先生) *** いつも仕事に家事にと頑張っている方も、元日くらいは家事をお休みして、のんびり1日を過ごしましょう。残った家事も、家族にお手伝いをお願いし、自分自身と向き合う時間を作ったり、家族と語らう楽しい時間を過ごしたりしてくださいね。 教えてくれたのは… ▶岩下宣子先生 「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)、『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)など著書多数。近著に『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)。 文=高梨奈々