【売れすぎて嬉しい悲鳴!】スズキ フロンクス:クラス上の走りと“お買い得”価格が人気の理由
本領発揮は高速ツーリング、クラストップ級の走り
そして圧巻なのは、走り。スズキは軽自動車を得意としているだけあって、タウンユース専門というイメージを持つ人もいるかもしれないが、フロンクスに関しては大いに違う。4.8mの最小回転半径設定や上級駐車支援機能など、狭い場所での取り回しを配慮した設計を取り込んでいるが、フロンクスの走りの真骨頂は、高速ツーリングでの走りの質と安心感が際立っていることに尽きる。 パワートレーンは1.5Lのマイルドハイブリッドなので、上級モデルのような動力性能の余裕はないが、高回転域までキレイに回ってくれる特性もあって、そのフィーリングは極めて軽快。全開加速でもほどよく抑制されるエンジン音や、NV性能に優れたボディ設計のおかげで、高速走行時でも会話が通りやすい。 さらにフットワークが秀逸。減衰感をしっかりと利かせたサスセッテイングで、角のある突き上げ感がなく、揺れ返しも少ない。短いストロークの中にはしなやかさや腰が練り込まれている。 ハンドリングも中立の据わりがよく、コーナリングでの車体のゆらぎも少ない。最小限の操舵で思ったコーナリングラインをトレースできる。全長4m級のSUVとは思えない安心感のあるフットワークで、SUVに限らずスモール&コンパクトクラスではトップクラスの実力だ。 ◆加減速のコントロールがしやすく、素直な操作感が楽しめることも好印象。ステアリング感覚も適度に重みがあるため、俊敏な挙動を入力してもほどよい緩さがあり、落ち着き感も上々。カーブでは低重心なクルマに乗っている感覚が強めだ。ライバルたちと異なる味を感じることもフロンクスの良さといえる。 ◆1.5Lの直4DOHCエンジンは、燃費性能と低中速域での力強さに定評があるスズキのグローバルエンジンのひとつ。モーター(ISG)が組み合わされるマイルドハイブリッド車のみとなる。 ◆キャビンまわりに徹底した遮音対策を実施したことも質感向上に大きく貢献。静粛性の高さはこのクラスでは際立っている。