「アンチ持ち家派」語る住宅購入の“落とし穴”。住宅は常に素晴らしい投資?個人投資家の解説
私が反対しているのは、住宅は常に、あるいは一般的にすばらしい投資であるとする住宅業界の執拗なあおりである。これは真実ではない。家は住む場所であり、たいていはお金のかかる贅沢でもある。 ■住宅購入には落とし穴がある 誤解のないように言うと、そうした贅沢をすることには何の問題もない。私だって楽しんできた。ただし、無理なく手に入り、より大きな目標、例えば経済的自由を達成するなどの目標を妨げないならば、である。
なお、国や場所によって違いはあるだろうし、今から私が言うことが当てはまらないケースもあるだろう。しかし一般的には、賃貸のほうが購入するよりも安く済む。賃貸の場合は普通、将来必要になるかもしれないスペースではなく、現在必要なスペースに対してのみ払えばよい。ニーズが変わったら、もっと広い、あるいは狭いスペースに簡単に引っ越せる。 また、高額なリフォームに誘惑されることもなく、先々、高額な費用がかかることもない。賃貸で暮らしている間は、住居にかかる費用を正確に把握できる。
賃貸か購入かを検討する際、いくらかかるかをわざわざ計算してみる人は少ないが、するべきである。お金の事情だけですべてを決める必要はないが、金銭的な影響は常に意識しておくべきだ。これほど大きな買い物の場合はなおさらだ。 住宅ローンの未払額と家賃を単純に比較するという、ありがちな落とし穴にはまらないこと。ここには、税金、メンテナンス、改築、修繕、家具、電化製品、庭の整備など、住宅の所有に伴うあらゆる追加費用は含まれていない。多額の緊急資金を確保しておく必要もある。予期せぬ出費は持ち家につきものだ。
家を買うのであれば、住宅業界の関心はできるだけ値の張る家を売ることだ、ということを承知しておくこと。住宅ローンの会社はあなたが借りられる最大額の融資を受けるよう促す。代理店はローンを組むことで買えるようになる、いちばん豪華な家を勧める。家の再販価値を保証するには、リフォーム、家具、電化製品も、すべて壮大な住宅にふさわしいものでなければならない。これはあなただけが損をして、ほかは全員が得をするという落とし穴である。