巨人の丸、頼れる1番打者の存在感 広島の守護神・栗林砕く
巨人3-2広島(28日、東京ドーム) 打った瞬間、本塁打を確信した。巨人の丸はバットをほうり投げ、ベンチに向かってほえた。2-2の延長十回1死から決着をつける5号ソロ。九回に追いつかれる苦しい試合を勝利に導き、「形はどうあれ勝ったことはよかった」と35歳の声に実感がこもった。 【写真】ファンとハイタッチする巨人・丸佳浩 マウンドには防御率0点台を誇る広島の守護神、栗林が立ちはだかった。「僕の記憶では(今季)1本もヒットを打ってなかった。前に飛ばせば勝ちくらいの気持ち」で打席へ。2ボールからの3球目、低めのカットボールを右翼席へ運び、歓喜の輪に包まれた。 4月28日のDeNA戦で1番に座ってから、存在感は日に日に高まるばかり。この日も七回までに3安打を放ち、打率はリーグトップの3割1分に上昇。「チームに勢いを与える打席にしろと常々言われてきた」と2018年まで11年プレーした広島時代からの信条を体現している。 首位広島との3連戦。試合前のミーティングで阿部監督は「はいつくばってでもやってやろう」とハッパをかけたという。「ものすごい大事な試合。広島に勝たないことには優勝はない」と強い思いで臨んだ重要なカード初戦。頼もしいリードオフマンの一発で接戦をものにした。(川峯千尋)