大東駿介×浅野和之 日本初演『What If If Only―もしも もしせめて』は夜、寝る前にふと思い出す芝居
集中を切らしてはいけない濃密な20分間
――おふたりのほかにもうひとり、“幼い未来”(ポピエルマレック健太朗と涌澤昊生のWキャスト)が登場しますが、その意味についてはどう考えますか? 大東 秀逸やと思いますよ。過去は見えるけど未来は当然見えなくて、見えない未来は不安やけど、でもそこにしか希望もきっかけもなくて。それを“幼い未来”という子供で表現するところが秀逸やなと。やっぱり子供って可能性の象徴やし、僕の育て方によって善にも悪にもなる。ああ、ホンマや、僕の未来って子供や。僕が大切に育てないといけない。僕が今日どういうふうに未来と向き合うかで、未来はソッポ向くかもしれないし、と。責任が生まれますよね。 浅野 そこで生きる希望が生まれる、ちょっと光が射す、ってことだね。 ――決して集中を切らしてはいけない、パワフルな20分の演劇体験になりそうです。 大東 20分やから、だと思います。濃密で、観る側もかなり頭を働かせる作品じゃないかな。観劇した日の夜、寝る前に思い出してほしいですね。 浅野 ハハハ。でもそうなるだろうね。あとでハッと、あれ?と気づくことがありそう。 大東 布団の中で目を閉じて、ウン? あの芝居ってもしかしてこういうことやったのかなと。絶対自分の人生の中で、重なる瞬間があるんじゃないかと思います。 取材・文:上野紀子 <公演情報> Bunkamura Production 2024 DISCOVER WORLD THEATRE vol.14 『A Number―数』『What If If Only―もしも もしせめて』 作:キャリル・チャーチル 翻訳:広田敦郎 演出:ジョナサン・マンビィ 美術・衣裳:ポール・ウィルス 【出演】 『A Number―数』 堤真一、瀬戸康史 『What If If Only―もしも もしせめて』 大東駿介、浅野和之、 ポピエルマレック健太朗・涌澤昊生(Wキャスト) 【東京公演】 2024年9月10日(火)~9月29日(日) 会場:世田谷パブリックシアター 【大阪公演】 2024年10月4日(金)~10月7日(月) 会場:森ノ宮ピロティホール 【福岡公演】 2024年10月12日(土)~10月14日(月・祝) 会場:キャナルシティ劇場