スーパー種雄牛「白鵬85の3」が病死 鳥取和牛をけん引
鳥取県は23日、黒毛和種の県種雄牛「白鵬85の3」が病死したと発表した。14歳11カ月だった。2017年の第11回全国和牛能力共進会(宮城全共)では子牛が、肉質を競う第7区肉牛群で全国1位を獲得。子牛を買い付けに県外から訪れる人が増え、20、21年には同県中央家畜市場の和子牛平均価格が2年連続で全家畜市場でトップとなるなど、鳥取和牛をけん引したスーパー種雄牛だった。 「白鵬85の3」は鳥取県琴浦町生まれで、父が「勝忠平」、母が「みどり」、母の父は「白清85の3」。14年度の現場後代検定で脂肪交雑基準(BMS)ナンバー9・6、ロース芯面積72・2センチとなり当時、全国一位を記録した。 精液の販売を県内に限り、優秀な子牛を求める多くの人を市場に呼び込んだ。子牛の出回りが本格化した16年以降、県中央家畜市場の和子牛平均価格は大幅に上昇し、上位市場の常連となった。 子牛の活躍にも期待がかかる。昨年は「白鵬85の3」を父に持つ「智頭白鵬」が県基幹種雄牛入り。種雄牛の候補として「登鵬1」「美鵬2」が育成されている。県によると、産子は大人しく扱いやすいため、繁殖農家からの引き合いが強い。 「白鵬85の3」は11月に入ってから調子が優れず、県畜産試験場内で獣医師による治療が続いていた。県は「お別れ会」を同県琴浦町で1月に開く予定。