ボクシング 39歳のレジェンド星大二郎、全日本選手権1回戦で判定勝ち 応援した村田諒太氏「やっぱり天才」と称賛
ボクシングの全日本選手権第2日が27日、東京・墨田区のひがしんアリーナで行われた。全日本選手権3連覇の実績がある星大二郎(39)=和歌山県庁=が、男子ライトミドル級1回戦で、稲葉駿(大東大)に4-1の判定勝ち。29日に同会場で行われる池田米偉(めい、芦屋大)との準々決勝に進出した。 レジェンドの星は1回は稲葉のスピードに手を焼いてリードを許したが、2回を接近戦でアッパーをヒットするなどして取り返すと、最終3回には多彩な攻撃でキャリアの差を見せて逆転勝利。判定を聞くとほっとした表情を見せた。「今日一日できたことが収穫。次はもうちょっと出来上がってくるかなと思います」とうなずいた。 星は2005年の全日本選手権からライト級を3連覇。アマチュア戦績は200戦を超え、180勝以上を誇る。12年ロンドン五輪ミドル級金メダルで、元WBA世界同級スーパー王者の村田諒太氏(38)、12年ロンドン五輪バンタム級銅メダルで、元東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック・フェザー級統一王者の清水聡(38)=大橋=らと同学年だ。 この日は村田氏が応援に駆け付け、観客席の最前列から声をかけ、スマートフォンを構えるなどした。勝利を見届けた村田氏は「ようできますね。やっぱり天才ですね。パンチを見切る、要領よくやる天才ですね」と星を称賛した。 昨年大会は「最後の大会」と意気込んで臨んだが、ウエルター級の準決勝で完敗。悔しさから引退を撤回し、今年は1階級上げて出場した。和歌山県庁でのスポーツ振興の仕事が忙しく、約1時間の練習を週4回積むのが精いっぱいの状況。「階級も上げているし、練習もそんなに積めていない。今日の(試合)内容だったらなかなか(厳しい)」と謙遜しつつ、「今の若い子に、なんか少しでも与えられるような大会になったらいい」と笑顔を見せた。 村田氏は30日の準決勝には再び応援に来られるという。星はまた村田氏に応援に来てもらうためにも、準々決勝での勝利を誓った。(尾﨑陽介)