《88才の外科医・帯津良一&高齢者専門精神科医・和田秀樹対談》名医2人が明かす食生活「朝食に生ビール」「お酒のシメにはラーメン」「生野菜は食べない」
ラーメンは完全食
帯津:朝からビールを飲むのが好きと言いましたが、本の執筆をするときなど、ホテルに缶詰になることがあって定宿にしていたところがありました。そこでの朝食は決まっていて、オレンジジュース、砂糖をいっぱい入れたコーヒー、目玉焼き、そしてビール(笑い)。いつもそれを頼んでいたので、そのホテルが閉館することが決まったとき、ホテルの人が「次のホテル、ご紹介します」と言ってくれて、そこに行ったら朝食にちゃんと同じメニューが出てきたんですよ。うれしかったね。 和田:肝臓の働きがいちばんいいのは、実は朝と昼。だから、朝食や昼食でたんぱく質をしっかり摂ると筋肉になりやすいんです。でも日本人は、夜はしっかり食べるけど朝とか昼は軽めですよね。朝、しっかり食べるってすごく大事です。帯津先生はいろいろな食材を摂っていて、それってすごく健康にいい。 ラーメンも最近は化学調味料なんかじゃなくて、きちんとだしをとっているから、スープだけでそれこそ10種類以上の食材が使われていて、麺があって、具材があるという、一杯で20種類くらいの食材が摂れるわけですから。シメにラーメンはもう完璧です。 帯津:結局のところ、好きなものを好きなように食べるのがいちばんいいんですよ。私は、がん患者さんに言うんです。「抗がん剤治療を受けている人が、野菜ばっかり食べてたらダメだよ。苦しい思いをしてるんだから、食べ物くらい好きなように食べなさい」って。 和田:その通り。 帯津:家族は渋い顔をしますけど、患者さんは喜びます。お酒もね、飲んでいいよって言います。たばこもね、1日数本なら「いつ吸おうか」って考える楽しみがその人を元気にするんだから。その人が生き生きと生きられることが大事です。 和田:養老孟司先生はいまも現役の愛煙家ですが、先生は口癖で「世の中、理屈通りにいかないからね」っておっしゃる。でもね意外と理屈に合っていて、老人ホームで10年間の追跡調査をしたデータがあるんですが、それを見ると喫煙者と非喫煙者で生存曲線に差がないんです。ホームに入る年齢まで喫煙していて平気なら、たばこに強い体質なんだというのが考察で、年をとって元気でいるなら、そのままでいいんですよ。 好きなように食べて、好きなことをすることが免疫力を高めるわけですから。
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