【ステイヤーズS】年齢や格より適性が問われる舞台 6歳シュヴァリエローズ、格上挑戦フルールもチャンスあり
なんだかんだと決め手は大事
7歳からはアイアンバローズが連覇を目指す。昨年は好データの6歳、今年は【1-1-1-18】勝率4.8%、複勝率14.3%の7歳。ひとつ年をとったことでどう変わるか。 クラス別ではGⅡ【5-5-7-46】勝率7.9%、複勝率27.0%に対し、OP/L【2-1-1-22】勝率7.7%、複勝率15.4%、3勝クラス【2-3-1-23】勝率6.9%、複勝率20.7%で格は気にしなくていい。繰り返すが、あくまで適性を重視して考えるべきだ。 前走GⅡではアルゼンチン共和国杯が【4-2-4-31】勝率9.8%、複勝率24.4%と主要ローテになる。4着以内【2-0-3-1】、6着以下【2-2-1-28】。好走が条件も、やはり舞台替わりでの巻き返しもみられる。 アルゼンチン共和国杯6着以下の馬のうち、9番人気以内だった馬は【2-2-1-8】、10番人気以下【0-0-0-20】で前者なら通用する。7着メイショウブレゲは9番人気、16着ミクソロジーは7番人気だった。どちらも買える材料はある。 前走京都大賞典は【1-3-2-9】勝率6.7%、複勝率40.0%。1~3着が該当なし、6着以下が【1-3-2-7】と大半を占め、勝ったシュヴァリエローズはデータでは判断しづらい。 古都Sは【1-2-0-5】。その距離が3000mだった21~23年は【1-1-0-3】なので悪くはない。ただ、阪神の古都Sが【1-1-0-2】で急坂適性がデータを押し上げている。適性は距離だけではなく、安易に飛びつけない。 確かに長距離戦はスタミナを問う。だが、スローペース濃厚の舞台で、中山といえども最後は決め手の差が勝敗をわける。 ステイヤーズSで上がり最速を記録すると【6-2-1-2】勝率54.5%、複勝率81.8%と圧倒的。決め手の有無、それも長距離戦での決め手の有無は判断材料になる。後半1000m勝負の舞台、それもラスト600mが結果を左右する。この舞台で上がり最速を記録しそうな馬はどれか。そういった角度から考えてもいい。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳