東京・豊洲市場で開場式典 小池知事「食文化発信拠点として育てたい」
10月11日の開場を1か月後に控え、豊洲市場(東京都江東区)で開場記念式典が13日開かれた。市場開設者としてあいさつに立った小池百合子知事は「あらためて豊洲市場は安心・安全にご利用いただけると伝えたい。世界に食文化を発信する新たな拠点として、大きく育てていきたい」と述べた。
豊洲市場は、築地市場(同中央区)から移転し、都の新たな中央卸売市場となる。敷地面積約40.7ヘクタールで、築地と違い、温度など管理できる閉鎖型施設。青果棟(5街区)、水産仲卸売場棟(6街区)、水産卸売場棟(7街区)を備える。 式典には、伊藤裕康築地市場協会会長や同市場がある江東区の山崎孝明区長ら市場関係者や行政、議会関係者ら約900人が出席した。山崎区長は「やっとここまで来た。これからこの立派な市場を次の世紀まで続けなければならないという、業界の皆さんに責任が生まれた。一緒にこの地域の発展に力を合わせていきたい」と語った。 開場に向けて、都は8月1日、齋藤健農林水産相に市場開場の認可を申請。式典3日前の今月10日に、齋藤農水相は都の申請を認可した。その翌日に、都は水産仲卸売場棟で建物と舗装の間にひび割れが見つかったと公表。開場までに補修するとしている。 式典終了後、小池知事は「いくつか再点検をして、なすべきことをやっていきたい。開場後も、使い勝手について声を聞いていきたい」として、10月以降も施設の改善に努める考えを示した。 現在の築地市場は10月6日で営業を終了。都によると、築地の解体工事は、豊洲市場が開場する11日から開始する予定としている。 (取材・文:具志堅浩二)