女児狙う犯行繰り返した勝田容疑者に「なぜ今ごろ」の思い 動き出した17年前の小2女児殺害事件
2007年10月に兵庫県加古川市で小学2年の鵜瀬柚希ちゃん(当時7)が殺害され、未解決だった事件が、17年たって動き出そうとしている。だが、なぜ今なのか。初動捜査に問題はなかったのか。 【写真】18年の事件で送検された時の勝田容疑者の顔 兵庫県警は11月7日、兵庫県たつの市の路上で06年9月に、当時9歳だった小学4年の女児を刃物で刺し、重傷を負わせた疑いで、勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)を殺人未遂容疑で逮捕した。勝田容疑者は、04年に起きた岡山県の女児殺害事件で18年に逮捕され、殺人罪などで無期懲役が確定して服役中だった。さらに捜査関係者によると、勝田容疑者は、県警の取り調べに対して、07年の柚希ちゃん殺害への関与もほのめかしているという。 柚希ちゃんの家族と親しい近所の住民は、複雑な表情でこう話す。 「ずっと犯人がわからず、いつまた柚希ちゃんように襲われるのか、この周辺では恐怖でした。ただ、なぜ今になって勝田容疑者なのか。警察はおかしいですよ」 記者は柚希ちゃんが殺害された事件発生直後から取材を続けているが、勝田容疑者が犯人なら、なぜ今になって捜査をしているのかと、同じ思いだ。 ■周辺で犯行を繰り返していた勝田容疑者 勝田容疑者は加古川市に住み、女児を狙った犯行を繰り返していた。 21歳だった00年、兵庫県姫路市やその周辺で10歳前後の女児数人を殴るなどの暴行をして、連続通り魔事件の犯人として逮捕され、このときは執行猶予付きの有罪判決を受けた。09年には女児の腹部を殴ったり、ドライバーで刺したりして逮捕され、10年に傷害と暴行罪で懲役4年の実刑判決を受けた。そして15年には姫路市で女子中学生をナイフで刺して逮捕され、16年に懲役10年が確定し、服役した。 さらに、その服役中の18年に、岡山県津山市で04年に小学3年の女児(当時9)が殺害された事件で、岡山県警が勝田容疑者を殺人容疑で逮捕。勝田容疑者は取り調べ段階でいったん犯行を自白したが、その後否認に転じ、無罪を主張して上告審まで争ったのち、23年に無期懲役が確定し、服役していた。