女児狙う犯行繰り返した勝田容疑者に「なぜ今ごろ」の思い 動き出した17年前の小2女児殺害事件
■「スイッチが入ると自分の世界に入ってしまう」 岡山刑務所で一緒だったことがある元受刑者は、勝田容疑者についてこう話す。 「日常的な会話は普通にできます。しかし、何かスイッチが入ってしまうと『あのアニメのシーンが』などと1人で話し出し、自分の世界に入ってしまうようなキャラでした。起こした事件と空想の世界がごちゃ混ぜになっている感じがしました」 捜査関係者によると、兵庫県警は、無期懲役の確定から約8カ月後の今年5月下旬、今回の逮捕容疑のたつの市の殺人未遂事件や加古川市の柚希ちゃんの事件について、刑務所にいる勝田容疑者を任意で取り調べはじめたという。 ■以前から指摘されていた似ている犯行手口 岡山県警が勝田容疑者を逮捕した18年当時、記者は捜査関係者から、たつの市の事件や柚希ちゃんの事件についても、勝田容疑者のこれまでの犯行手口と似ていると聞いていた。 そこで、複数回、兵庫県警の幹部などに、「勝田容疑者の犯行ではないか」と聞いたことがあった。 しかし、返ってくる答えはこんな趣旨のものだった。 「そんなこと聞いてくるのは、あんただけや。犯人はだれかわかってるやろ」 実は、柚希ちゃん殺害事件で、兵庫県警の捜査線上には、勝田容疑者とは別の人物が浮上していた。 ある捜査関係者は、別の人物の名を挙げて、 「〇〇がやっているんや。捕まえるだけのブツがないだけや」 と記者に言っていた。 また、勝田容疑者の身内に兵庫県警の関係者がいるため、柚希ちゃんの家の近所で話を聞くと、 「警察が何らかの配慮をしているのではないか」 と疑う話も耳にした。 その後7年間、犯人は捕まらなかった。なぜ、いまごろになって勝田容疑者を取り調べているのだろうか。 前出の柚希ちゃんの家の近所の住民は、 「柚希ちゃんの事件の犯人が勝田容疑者なら、早く認めてほしい。それが一番の供養になる」 と話していた。 (AERA dot.編集部・今西憲之)
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