「親もちゃんと挨拶してる?」モンテッソーリ教師あきえさん 「子どもは親を映す鏡」だからこそ見直したい習慣
もちろん、言動が一致していることを目指していきたいですが、もしできないときがあっても大丈夫です。 大切なことは「あ、一致していないな」と気づくことです。そして、「片づけてねって言ったのに、お母さんの机は整理整頓できていなかったね! お母さんも片づけるね」と伝えられれば、それで大丈夫です。 私たち大人は子どもを観察しますが、実は私たち大人も子どもに観察されているのです! ドキッとしますね。だからこそ、私たちは子どもに観察されていることに意識的になることが大切です。
■大人も子どもと一緒に成長するチャンス 3. 伝えたいことは行動でも示す さらに、0~6歳の乳幼児期は言葉で伝えたことより、「行動」でやってみせたことの方が自分の中に吸収しやすい特性があります。 それはなぜかというと、0~6歳の子どもは、実際に物を見たり、触れたりすることで思考する「具体的思考」をしている時期だからです。一方私たち大人は、実際に物を見たり触ったりしなくても、抽象的に物事を考えることができる「抽象的思考」をしています。このように、子どもと大人では思考の仕方が全く別物なのです。
そのため、「具体的思考」をしている子どもは、抽象的な言葉よりももっと具体的な「行動」の方が吸収しやすいのです。だからこそ、モデルとなる大人の「言葉」と「行動」が一致していると子どもはより「どうするといいのか」ということがわかり、できるようになっていくのです。 言葉と行動を一致させて子どもに伝えていくことが、子どもにとって信頼できるモデルとなるための鍵なのです。 小学生になると9~10歳頃から本格的に、「具体的思考」から「抽象的思考」に移行していきます。しかし、この「不一致な言動」の引き算は、子どもが抽象的概念を獲得したら意識しなくてもいいわけではありません。
たとえば私たち大人でも、言っていること(言葉)とやっていること(行動)が一致しないパートナーや上司がいたらどうでしょう? 信頼できるかと言ったら信頼できないですよね。 大人と子どもの信頼関係も日々のコミュニケーションの中で築いていくものです。そのため、たとえ今後児童期になって抽象概念を獲得できたとしても、言動を一貫させることはずっと意識していきたいですね。 このように「不一致な言動」を引き算することで一貫したモデルになることができます。最初は意識して気をつけることが必要ですが、まずは“子どもの目の前では”を心がけてください。
すると子どもはより理解することができ、観て→真似て→自分のものにしていく→「できた」が増えるということにつながるのです。 ただ実はこれ、言うは易く行うは難し。とてもシンプルなのですが、日頃の私たちの思考方法に逆らわないといけないのがクセものなのです。でも私たち大人も子どもと一緒に成長するチャンスです。 ■身近な大人がモデルになる 【漫画】AFTER:引き算したあと
モンテッソーリ教師あきえ :国際モンテッソーリ教師(AMI)