ビザ解禁、ようやく行けた! サウジアラビアの港町「ジェッダ」ここは、1400年続くメッカの玄関口
#288 Jeddahジェッダ(サウジアラビア)
今、サウジアラビアにて、この原稿を書いています。ついに、です。思えばこの3年余りは、この地への思いを募らせた日々でした。 【画像】ここが「ジェッダ」! サウジアラビア第二の都市です。 あれは2019年9月のこと。これまで海外に対して扉を閉ざしていたこの国のビザが解禁(日本を含め49の国に対して)になり、国内外の旅行メディアで話題を呼びました。私も興味津々。 イスラム教徒以外はめったに訪れることができなかった国。一体、どんな世界が待っているのでしょう? けれど冒険心に火をつけるそんなワクワクした思いも、COVID-19によってあえなく立ち消えに。それから3年を経て、ようやく積年の思いを叶えたわけです。 訪れてみると、知っているようで、まったく知らなかったサウジアラビア。 東のペルシャ湾(アラビア湾)と西の紅海に挟まれたアラビア半島のほとんどを占め、中東最大の広さを誇るサウジアラビアの国土は日本の約5.7倍。世界最大のオアシスや、北には積雪するエリアもあるとか。 今回は、近未来と歴史的遺産が交錯する首都リヤドから旅をはじめ、圧巻の地形に度肝を抜かれた世界遺産のアルウラ、イスラム教の二大聖地のひとつメディナを周遊。砂漠エリアも道路沿いにナツメヤシのプランテーションがあるなど、ベージュ色一辺倒ではなく、潤いの緑が視界に入るのが印象的です。
ダイバー憧れの海に面した、歴史ある都市「ジェッダ」
そして今、サウジアラビア第二の都市、紅海に面したジェッダにいます。 紅海は、世界でもトップ3に入るダイバー憧れの海。塩分濃度が高いせいか、海のブルーが他とはちょっと違い、水中写真を見ても、キンギョハナダイのオレンジ色が実にビビッド。潜ったことはないけれど、紅海の水中写真なら、大体わかります。 夜景が宝石を鏤めた花嫁のように見えることから“紅海の花嫁”と称されるジェッダ。その地名はアラビア語で祖母を意味する“ジャッダ”に由来するとか。なぜ“祖母”かというと、人類の祖母とされるアダムの妻イヴの墓がこの地にあると考えられているからだといいます。また“海辺”を意味する“ジュッダ”という名でも呼ばれているそう。 そんなジェッダはアフリカや欧州、アジアとの交易で栄え、イスラム教の聖地メッカの玄関口として1400年にわたり巡礼者を受け入れている港湾都市です。 港町特有のオープンな空気が流れ、日本でいえば大阪的、中国でいえば上海的な大らかさと感度の高さを感じます。 長きにわたる交易の歴史があることから、アル・バラド地区(世界遺産の旧市街)にはアフリカやアジアなど様々な国の文化がミックスされた歴史的な建物が400軒以上も集まっています。 中でもこの地域の特徴なのが、「ラワシン」という目隠し的役割の出窓。木でできており、きっちりとした格子と精緻な木彫りの美しさに目を奪われます。 このラワシンは建物を装飾するだけではなく、室内に差し込む直射日光や外からの視線は遮りつつ、風通しには優れるという便利なアイテムでもあります。