フランス市場からトレーダーが逃避-あらゆる資産に選挙リスク
アリアンツ・グローバル・インベスターズのポートフォリオマネジャーは最近、投資家の頭には欧州債務危機の記憶があると指摘。フランスからの波紋が再びユーロを脅かす可能性があると論じた。
ルペン氏が率いる極右政党は前回台頭したのは2017年の大統領選挙だが、当時はユーロ離脱の是非を問う国民投票を約束していた。同氏の姿勢はその後に和らいでいるが、同党の政策は投資家を不安にさせている。
フランスのEU離脱の可能性を示すクレジット・デフォルト・スワップの指標は、欧州議会選挙以降にほぼ倍増し、2017年以降で最高に近い。
フランス国債の弱さはイタリアにも波及し、イタリア債とドイツ債のスプレッドは2月以来の高水準に拡大している。
クレジット市場でフランス企業が借り入れのために支払うリスクプレミアムは、ユーロ圏の同業他社との比較で17年の選挙直前以来の高水準に跳ね上がった。
ユーロ圏の銀行株が下落した場合に支払いが発生するデリバティブの取引は、16年以降で最高を記録した。銀行は国債保有や経済へのエクスポージャーを通じて国の政治動向から影響を受けやすい。
原題:Traders See Nothing to Win in French Vote That’s Cost Billions(抜粋)
--取材協力:Vassilis Karamanis、James Hirai、Jan-Patrick Barnert.
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Alice Gledhill, Michael Msika, Tasos Vossos