YARTヤマハが2年連続の予選総合トップ。ドゥカティは渾身のアタックで総合2番手に浮上/鈴鹿8耐
7月19日、三重県・鈴鹿サーキットにて『2024 FIM世界耐久選手権"コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第45回大会』の公式予選2回目が行われた。ライダーブルーは水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)、ライダーイエローは羽田太河(Astemo Honda Dream SI Racing)、ライダーレッドはハフィス・シャーリン(DUCATI Team KAGAYAMA)がトップタイムをマークした。 【写真】2024鈴鹿8耐 SSTポールポジションのTERAMOTO@J-TRIP Racing(寺本幸司/村瀬健琉/石塚健 組) 予選総合結果は、昨年に引き続きYART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAM(ニッコロ・カネパ/マービン・フリッツ/カレル・ハニカ)とトップとなった。 鈴鹿8耐の公式予選は、エントリーする3名のライダーのうちふたりが記録したベストタイムの平均で争われる。その計時予選結果の上位10チームは、20日土曜日の午後に行われる“トップ10トライアル”に出走し、決勝グリッドおよびポールポジションを決定。11番手以下はこの予選にて決勝グリッドが確定する。 朝の金曜日フリー走行では2分06秒238をマークしたヨハン・ザルコ(Team HRC with Japan Post)が速さを見せた。続く予選1回目では転倒が相次ぎ、赤旗続出の少々荒れ模様となったが、そのなかでYART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAMが3名とも2分05秒台に入れ、暫定トップに立っている。 約20分ほど遅れでスタートした予選2回目は気温37度、路面温度50度のドライコンディションの下、まずはライダーブルーの走行が始まる。 セッション開始からわずか5分ほどで、水野が2分05秒905でトップに浮上。ほぼ同タイミングで野左根航汰(Astemo Honda Dream SI Racing)も2分05秒台に入れてくる。 すると、水野がさらに自身のタイムを0.116秒縮めて追い打ちをかける。3番手には岩田悟(TeamATJ with docomo busines)、そして4番手に伊藤和輝(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)が続く。一方、すでにトップ10入りをほぼ確実としていたカネパは、2分07秒台をマークしていたが、すでに決勝を見据えたロングランを実施。 その頃、津田拓也(AutoRace Ube Racing Team)が2分06秒911をマークし、3番手に浮上。セッション終盤、S字で加藤高史(HondaSoyukaiTochigiRacing&KohyohkaiDreamRacingTeam)が転倒し、さらに立て続けに2台のクラッシュが発生。残り時間1分38秒というところで赤旗が掲示され、そのまま終了を迎えた。 16時28分にライダーイエローの予選2回目が開始し、ライダーたちは1周をかけて少しずつタイヤを温めていく。まずは浦本修充(SDG Team HARC-PRO. Honda)が2分07秒639でターゲットタイムをマーク。開始5分ほどで一気にタイムを縮めるライダーが増え、トップ3が変動していく。 羽田が2分06秒507でトップに浮上すると、0.185秒差でバリー・バルトゥス(AutoRace Ube Racing Team)が続く。さらに、コースインのタイミングを少し遅らせたザルコが、ユーズドタイヤで2分06秒795をマークして3番手に食い込む。 中盤頃にはシルバン・ギュントーリ(BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM)が4番手タイムを記録するが、日浦大治朗(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)がわずかに上回り、暫定トップ10にも浮上した。その後はあまり順位に変動はなく、終了間際に彌榮郡(Kawasaki Plaza Racing Team)の転倒もあったが、赤旗は掲示されることなく定刻で終了を迎えた。 雨雲が近づきつつある曇り空の下、予選2回目最後となるライダーレッドのアタックがスタート。まずは榎戸育寛(TOHO Racing)がトップに立つと、シャーリンが2分05秒936を叩き出して首位に浮上。暫定ではあるが、総合2番手へ浮上するタイムとなった。 シャーリンに続いてダン・リンフット(Yoshimura SERT Motul)は2分06秒402で2番手に、名越哲平(Team HRC with Japan Post)は2分07秒574で3番手に順位を上げる。一度タイム更新が落ち着き、中盤頃にはSSTクラスの総合トップが入れ替わる展開となった。 石塚健(TERAMOTO@J-TRIP Racing)が2分08秒498をマークしたことにより、SSTクラス総合トップに浮上。終了間際には、三上真矢(Taira Promote Racing)がアタックを試みるが、タイム更新とはならず、SSTクラスのポールポジション獲得にはわずかに届かなかった。 すべてのセッションを終え、予選総合トップを獲得したのはYART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAMだった。昨年同様の速さが今年も健在で、大きくリードする形でトップ10トライアルに挑むことになる。総合2番手にはシャーリンの健闘もあり、DUCATI Team KAGAYAMAがつけた。 3連覇がかかるTeam HRC with Japan Postは速さを示すも、総合3番手。計2戦終了時点でポイントリーダのYoshimura SERT Motulが4番手に続き、フル参戦組はBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM、F.C.C. TSR Honda Franceも暫定でトップ10トライアルへの進出を決めている。 暫定での上位10チームは#7 YART - YAMAHA、#2 DUCATI Team KAGAYAMA、#30 Team HRC with Japan Post、#12 Yoshimura SERT Motul、#17 Astemo Honda Dream SI Racing、#73 SDG Team HARC-PRO. Honda、#76 AutoRace Ube Racing Team、#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM、#5 F.C.C. TSR Honda France、#71 Honda Dream RT SAKURAI HONDAとなっている。 また、SSTクラスにおいては、TERAMOTO@J-TRIP Racing(寺本幸司/村瀬健琉/石塚健 組)がクラストップで終え、クラス暫定ポールポジションを獲得した。フル参戦組のTeam Étoile(ロベルト・ロルフォ/大久保光/亀井雄大)は2番手、Taira Promote Racing(阿部恵斗/西村硝/三上真矢)は3番手となった。 明日19日の午後15時30分には、いよいよトップ10トライアルが実施され、ポールシッターおよび上位グリッドが決まる。YART YAMAHA OFFICIAL EWC TEAMがポールポジションを獲得して、ポイントリーダーに浮上するのか、はたまたTeam HRC with Japan Postが牙を向くのか。それともDUCATI Team KAGAYAMAが海外メーカーの意地を見せるのか、ぜひ明日のトップ10トライアルで見届けて欲しい。 [オートスポーツweb 2024年07月19日]