日本新記録をマークした落合晃選手

◇令和6年度全国高等学校総合体育大会 陸上競技大会（7月28日～8月1日、福岡・東平尾公園博多の森陸上競技場） 陸上・インターハイ4日目、31日の注目競技は800m。 スピードとスタミナが求められることに加え、選手同士によるポジション争いや駆け引きも見どころのひとつ。その激しさゆえに「トラックの格闘技」とも呼ばれています。 男子800mには、6月の日本選手権を制した落合晃選手（滋賀学園高3年）が登場。インターハイ2連覇を狙い、決勝のレースに挑みました。 「まさか」と、想像していなかったという1周目は岩手・盛岡第四高の菊池晴太選手（2年）が引っ張る展開。最初の400mを日本記録ペースの52秒で通過します。 すると、ラスト1周の鐘がなった瞬間、落合選手がスパート。一気に先頭に躍り出ます。しかし、山梨学院高のフェリックス ムティアニ選手（2年）が猛追、残り250mあたりで順位が入れ替わります。レースは依然、日本記録ペース。どんどん差が広がっていきますが、ここで諦めなかった落合選手。 「冷静に相手の様子を見ながら走ることができた」と、最後の直線、残り50mすぎでムティアニ選手に並ぶと、最後に差し切り、大きくガッツポーズ。２連覇達成に加え、従来の記録を1秒近く更新する、1分44秒80の特大日本新記録をマークし、「っしゃー！」と雄たけびをあげました。 日本選手初の“1分45秒切り”の快挙を達成した落合選手。このタイムは、今季U20世界2位となる好タイムです。 今回のレースでは、タイムは意識していなかったといいますが、「インターハイ2連覇は絶対に逃せないところだったので、そこを意識しながら。タイムも52秒くらいで入ろうと思っていて、そのペースで入って競えたらタイムもおのずとついてくるかなと思っていた」と振り返りました。 8月末にペルーで開催されるU20世界選手権の代表にも選出されている落合選手。 「積極的な持ち味のレースができれば。日本記録が出たからといって満足することなく、もっと状態を上げて、世界の強い選手と競って、さらにタイムを更新するようなレースができたら」とさらなる飛躍を誓いました。 女子では、今月15日に東大阪大敬愛高2年の久保凛選手が19年ぶりに日本新記録をマーク。これで800ｍは男女ともに高校生が日本記録保持者となりました。