ものづくりの未来を担う才能! 学生フォーミュラが次世代エンジニアを育てる土壌となる
年々注目を集めている「学生フォーミュラ」。大学生や専門学校生がオリジナルフォーミュラーカーを製作し、それを走らせて競うイベントである。 【画像全9枚】
若者ならではの新たなアプローチが満載のマシンは、それぞれの工夫が満載。そんなものづくりをしてきた学生に自動車系企業も注目のイベントなのである。
◆新たな視点で学生が作り出すフォーミュラカーの世界
フォーミュラカーといえば、F1のようなタイヤがむき出しのサーキット専用車両を思い浮かべる。F1ではコンストラクターと呼ばれるチームがシャシーを製作し、そこにエンジンを搭載する。フェラーリだけは70年以上も昔から自社製シャシーに自社製エンジンを搭載している。日本で開催されているスーパーフォーミュラなどのカテゴリーではレーシングカー専門メーカーが製作したシャシーに、トヨタ製かホンダ製のエンジンを搭載して行われている。
学生フォーミュラは大学や専門学校などのサークルや研究室が参加している。それぞれ鉄製パイプなどをベースにオリジナルのフレームを製作。そのためサスペンションもストラット式のチームもあれば、フォーミュラカーらしくプッシュロッド式になっていたりもする。そういった自由度が高いのが魅力。
エンジンは600ccなどのバイク用を使い、ミッションもバイク用を使う場合が多いが、軽自動車のエンジンを搭載するチームいる。最近ではEVクラスが設けられ、モーターとバッテリーを搭載するチームもある。
最大の魅力はその自由度の高さにどうアプローチするかということ。ある程度のレギュレーションはあるが、どんなエンジンをどんな向きで搭載し、足まわりもどう動かすのか、ブレーキはどうするのかなど、それぞれのチームの考えによって作られていく。そして、それをさまざまな面から評価していく。
◆形だけじゃなくコンセプトや走行性能も担保されたマシンを製作
走行面では75mのフル加速の性能を競う試験、8の字コースを右に2周、左に2周する時間を競う、約800mの特設コースのベストタイムを競う、そのコースを合計20周するテストなどが課される。さらに走行後に燃料、電力消費量の評価もある。