クレーム電話には「笑顔」が防御となる 怒りの感情に「同調」することをまず避ける
ただ、相手が取引先やお客様だと受け流すだけではすみません。あまりに理不尽な場合は、「恐れ入ります。電波の調子が悪くてお声がとどかないようなので、一度切らせていただきますね」と言って切ってもいいと思います。 クレームがエスカレートした場合、相手も自分も一度リセットすることが大切です。向こうもヒートアップして、ふり上げたこぶしをどうしていいかわからなくなっているので、いったんリセットする機会を作ります。
これは対面の場合ですが、相手がエスカレートしたときは、部屋を替えるのが第一選択になります。「きちんとお話をおうかがいしたいので、別のお部屋をご用意いたします。もうしわけありませんが、そちらに移っていただけますでしょうか」と言って場所を替えると、たいていトーンダウンします。 電話の場合は部屋を替えることができないので、いったん切って、時間を置いてかけ直すのです。相手からかけ直してきても、すぐ出るとリセットにならないので、出ないで時間を置きましょう。その間、社内の人に相談して、対策を練ればいいのです。
あまりに理不尽なクレームが激しくて、自分が苦しくなってきたときは、何も言わずにプツンと切ってかまわないと思います。「すみません。電話が落ちてしまいましたね」とでも言っておけばいいでしょう。 ほかにリセットの方法としては、人を代えるのも効果があります。上司に代わってもらうとか、異性の人に代わってもらうと静まる人もいます。 ■言葉尻をとらえて攻撃してくる場合は 言葉尻をとらえて攻撃するのが趣味のような人もいます。そうすると何を言っても悪いほうにとらえたり、つっかかってきたりして、話になりません。その場合は無視するに限ります。
何か言うと、相手に情報を与えることになるので、いつまでたっても攻撃が終わりません。でも自分が何も言わなければ、言葉尻のとらえようもないでしょう。 たとえば車が完全に止まっている状態でぶつけられたら、「こちらは止まっていました」ということで責任は100%相手に課せられますが、自分が少しでも動いていると、責任の一端をになうことになります。 「危ないなと思ったので止まっていました」のほうがいいわけですから、何も言わない、話さないことが賢明です。許容範囲の中でやりとりして、それ以上はかかわらない。無視するのがいいと思います。受話器を置いて、放置でかまいません。