クレーム電話には「笑顔」が防御となる 怒りの感情に「同調」することをまず避ける
それでもしつこく攻撃してくるときは、はっきりノーを言って拒否しましょう。「今ここはそういうお話を受けるところではないので、もうしわけありませんが、切らせていただきます」でいいと思います。 取引先や上司など、簡単に切れない相手で、しかもあまりに理不尽だったら、社内のコンプライアンスルームに相談してみましょう。そういう部署がない会社なら、労働基準監督署など外部の機関に相談するのがおすすめです。直接的な解決に結びつかなくても、相談したという事実があとで生きてきます。
■笑顔で電話に出るとクレームを言われにくい 意外だと思われるかもしれませんが、電話でも笑顔で応対している人はクレームを言われにくい傾向があります。 電話では顔が見えませんが、なぜか笑顔で話したほうが相手からの印象がよくなるのです。「笑声(えごえ)」という造語があり、コールセンターなどではよく使われます。にっこりすると声の表情が変わるというのです。 私も経験上、声には表情があると思っています。笑顔をつくることで声が明るくなったり、やわらかくなったりします。心の中は笑顔でなくても、とりあえず笑顔をつくってみる。すると、声の印象が変わります。
最初は引きつった笑顔でもかまいませんから、笑顔で電話に出るよう心がけましょう。そうすると、なぜかクレームが減ったり、相手の怒りがトーンダウンしたりするのです。 お店で商品を買うときも、ムスッとしている店員さんより、笑顔の店員さんのほうが買いやすいのと似ています。店員さんが心から笑っているのでなくても、そちらから買ってしまうことを思い出してみましょう。 一方的な攻撃を防ぐのは難しい面もありますが、是非とも自らをガードする術を身につけていただければと思います。
大野 萌子 :日本メンタルアップ支援機構 代表理事