MotoGP買収のリバティ・メディアCEO、寄せられるチーム投資に関心の高まり実感。F1の成功再現なるか
F1のオーナー企業であるリバティ・メディアのグレッグ・マッフェイCEOは、買収を行なうMotoGPも今後F1のような成功を収めることができると考えている。 ”空力の鬼才”の名は伊達じゃない! エイドリアン・ニューウェイが手掛けたF1マシン傑作選 2016年にF1を買収したリバティ・メディアは今年、二輪の世界最高峰シリーズであるMotoGPを買収する計画を発表。現在は規制当局による買収の審査が行なわれている段階だ。 リバティ・メディアによる買収は、MotoGPにとって大きなチャンスになるとも言われている。リバティ・メディアがF1を傘下に収めて以来、同シリーズは世界的に人気を高め、成功を収めているからだ。そのためMotoGPへの取り組みも注目を集めている。 motorsport.comでも報じてきた通り、リバティ・メディアのMotoGP買収計画が明らかになった後、F1で7度世界王者となっているルイス・ハミルトンがMotoGPチームの買収に興味を持っているとされていた。 マッフェイCEOはハミルトンの事例以外にも、既にMotoGPチームの買収に興味示す人物が現れていると話した。 「我々が(MotoGPの買収を)発表した時がいい例だ。ルイス・ハミルトンのような人物を含めて、すぐに『チームを買いたいんだが』という連絡が来たよ」 マッフェイCEOはゴールドマン・サックスのカンファレンスでそう語った。 「それはなぜか? 彼らはF1で起きたことを知り、それに続きたいと思ったからだ。我々は大手ディストリビューターから『我々も関わりたい』という連絡を受けた。ただ残念ながらそういった人達には、EUの承認を得られるまではそのことについて話せないと伝えなくてはいけなかった。もちろん、承認が受けられれば喜んで話そう」 「リーグレベルで変化を活用できる機会があると思う。チームレベルについては、絶対ではないが、一般的にチームはキャッシュフローがさほど良くない。NFLチームのキャッシュフローはかなり優れているが、一般的にその倍率は本当に高い。我々はキャッシュフローを求めるという点で伝統的すぎる」 「ただ、ダイナミクスを変化させ、ステージを変え、望むことを行なう能力は遥かに優れているし管理しやすい。時間はそれでもかかるが、リーグレベルで成し遂げることはできる。ある意味、チームレベルではとても難しいんだ」 リバティ・メディアがF1のオーナーとなってからは同スポーツに変化が促され、特にアメリカ市場における新たなファン層を獲得する機会を得た。 リバティ・メディアは今、MotoGPでも同様の“魔法”をかけたいと考えている。 「MotoGPは第一に、信じられないほどエキサイティングなプロダクトだと思っている。レースを見たことのある人がどのくらいいるか分からないが、時速220マイル(約350km)で互いに6インチ(15センチ)の距離でバイクを走らせているライダーを見るのはワイルドだし、そこで繰り広げられるオーバーテイクは信じられないほどに印象的だ」 「残念ながらそれがアメリカでも、世界でもあまり知られていない。アジアや他の地域でも興味は持たれているが、その中心はスペインとイタリア、そしてフランスである程度といったところなんだ」 「それを広げるチャンスだと思う。我々はストーリーを伝えることで、F1で何ができるのかを示してきた。人間味を際立たせ、ドライバーが何をしているのか、その舞台裏では何が起こっていたのかなど、物語を語ることで、何が起こっているのかをより広く理解してもらうことでクルマやテクノロジーだけではなくストーリーをより大きくしたんだ」 「それだけではなく、画面に映るものなどを改善したり、ファンがより良くストーリーを理解できるようにもしてきた。それら全てが、ここ(MotoGP)でも役立つものになる」 なおリバティ・メディアがF1の権利を握って以来、同企業のお膝元であるアメリカでのグランプリとして、ラスベガスとマイアミが加わり、年間3戦に増加した。マッフェイCEOは、MotoGPでも同様にアメリカでのレース数増加を狙っている。 「率直に言って、アメリカでは成長できると思う。(今は)オースティンで一戦が開催され、TV等から控えめな収入を得ている」 「それを改善するチャンスがあると思っている。アメリカで2レース目を開催するチャンスかもしれない。そのどれもがF1で馴染みある興味深い方法であり、我々がそれを再現できることを期待している」
Mark Mann-Bryans