デンマーク人の残業しない働き方 「定時に退勤」の常識はどう成り立っている?
国際経営開発研究所が行う「ビジネス効率性」ランキングで過去4年連続1位のデンマーク。その高い生産性はどのように生み出されているのでしょうか? デンマーク在住の日暮いんこさんが目撃した、デンマーク人の「残業しない働き方」について書籍『幸せな国・デンマークでの気ままな生活 北欧、暮らしてみたらこんな感じでした』より紹介します。 【写真】日暮いんこさんが撮影した、デンマークの風景 ※本稿は、日暮いんこ著『幸せな国・デンマークでの気ままな生活 北欧、暮らしてみたらこんな感じでした』(大和出版)を一部抜粋・編集したものです。
残業しない働き方
デンマークの人々の働き方を見ていつも感心するのが、そのメリハリの上手さです。終業時間がはっきりと決まっており、効率的に働き、定時に帰宅するのが「普通」。 日本では、残業したり、仕事を家に持ち帰ったりするケースが「普通」であることが珍しくありません。 デンマークの一般的な会社では、多くの人が4時ごろには帰宅し、家族と過ごすことや趣味に時間を充てています。常に残業している人がいれば、それは「普通ではない」状況。問題視され、改善が求められます。 そうして1人ひとりがより充実したプライベートな時間を過ごし、その結果として仕事においても高いパフォーマンスを発揮するという好循環が生まれているように感じます。 私自身、日本でのOL時代、そして実は今でも、フリーランスの仕事のときは終業時間を特に決めずに、つい「この仕事のキリのいいところまで」なんて曖昧な目標で、ダラダラと長時間労働をしてしまうことがよくあります。そうすると、仕事と休憩の境目が曖昧な時間も増えていきます。 懲りずに長時間労働をしてしまうのは、仕事がノッているときであれば、それでも頑張れたという満足感があり、楽しかったりするからだと思います。 ただ、そのメリハリのない仕事習慣が問題なのは、仕事で行き詰まった途端に、集中も息抜きもどちらもできなくなってしまうことかもしれません。仕事は進まないし、ストレスも溜まり続けるという悪循環にはまってしまいます。 終業時間を「決めて、守る」だけ! とわかっていても難しいですよね。そんな中、日本に住む私の友達が、子供が産まれてから保育園のお迎え時間という絶対厳守の時間制限ができたことで、効率が格段に上がり、驚いたと言っていました。 それを聞いて、自分の力の及ばない締め切りがあるといいのかと気がつき、定時に終わらないと間に合わない時間にジムや病院、映画を予約してみたところ、本気で焦ることで集中でき、効果てきめんでした。「我こそは意志力薄弱なり!」という方におすすめします(ただ、習慣化する前にアポイント用件がネタ切れするともとに戻ります)。