「仕事はできるのに、夫婦仲が冷めきってる」リーダーが増えている悲しい事情ーーいちばん身近な「組織づくり」の秘訣とは
ビジネスにおいて、うまくいっている組織と崩壊している組織があるように、家庭においても、うまくいっている家族と崩壊していると言っていいような家族があります。 人が集まれば、それは組織ですから、家族も組織です。ですが、家族という組織は、あらゆる組織のなかで、最も一体感のあるチームにするのが難しい組織だというのが、組織の専門家である私の見解です。その理由は以下の3つのためです。 ①1人の感情(機嫌)の影響が大きい
②仕組みの徹底・継続が難しい ③正解のものさしと基準が存在しない それぞれ解説していきましょう。 ①1人の感情(機嫌)の影響が大きい たとえば、飲食店などで出勤スタッフが30人いるような組織だと、30人中の1人が機嫌が悪くてもほとんど影響がありません。「なんか機嫌悪いな」と気づく人がいるかいないかという程度です。 ところが、同じ飲食店でも出勤しているのが自分を含めて3人のような小さい組織だと、3人のうち1人が不機嫌ならば、その日の影響力ははかりしれません。仕事が極端にやりにくくなり、離職の原因にもなりかねません。「不機嫌は暴力」と言われることもありますが、それは少人数の組織のときには、まさに言葉そのままの意味を持つわけです。
家族というのは、夫婦2人からスタートします。たった2人しかいませんから、夫婦のうちどちらかの感情が組織にものすごく影響を与えてしまうのです。 この「感情」というのがやっかいです。ビジネスでも、関わる人間の感情のコントロールがうまくいかず組織が崩壊してしまうことが多いのですが、会社組織と比べてメンバーの少ない家族の場合、感情の影響が大変大きいということです。 ②仕組みの徹底・継続が難しい 組織をよくしていこうとすると、コミュニケーションのデザインをすることが有効です。
ビジネスであれば、「朝礼」や「1on1面談」、「会議」や「ミーティング」、「研修」など、どのようなコミュニケーションをするか、コミュニケーションの「場」を設計し、その徹底と習慣化で組織をよくしていきます。 また、組織をよくするためのアイデアをメンバーで出しあって、みんなで決めたことを徹底・継続することで、組織はどんどんよくなってゆきます。 ■決めたことが実行されず「なあなあ」に ところが、この徹底と継続が、夫婦間ではうまくいきません。「なあなあ」になってしまい、決めたことが実行されず、「なんで決めたのにやってくれないの?」という口論になったりします。