「仕事はできるのに、夫婦仲が冷めきってる」リーダーが増えている悲しい事情ーーいちばん身近な「組織づくり」の秘訣とは
しかし、こうした家庭の問題を放置すれば、やがて大きな問題に発展し、離婚をするしないの騒ぎになりかねません。 離婚率は、結婚する数に対して34%というデータがあります。3組に1組が離婚する時代とも言われています。 価値観が多様化している現代においては、離婚すること自体が悪いこととは言いきれないにしても、離婚をしようと思って結婚をする人はいないでしょう。だれもが結婚時には、「相手を幸せにしよう」「一緒に幸せになろう」と心に誓って結ばれたはずです。それにもかかわらず、日常のなかで当初の志は忘れられ、すり減らすように徐々に関係性が冷えていってしまうのです。
何を隠そう私自身も、組織の専門家でありながら、家庭という組織の運営に一度失敗し、結婚は2回目です。そしていまは、7歳の息子の育成に四苦八苦しているいち父親です。 ちなみに、前職のコンサルティング会社では、離婚は珍しいことではなく、経営層の半分以上が離婚経験者という状態でした。 いずれにしても、かつては家庭の不満があっても、お互いが飲み込んできたかもしれません。ですが、今はそうはいきません。 離婚へのハードルは下がり、共働き世帯も増えています。仕事もやって、家庭にも気を配って、ということを男性側も女性側も当たり前のようにやらなくてはいけないのです。
それにもかかわらず、家庭のことはどこかおざなりになってしまいがちです。さらに、仕事とは違って、家庭のことは何かと感情的になりがちです。 結果として、仕事はできるのに家庭の問題は解決できない、そういうビジネスマンが増えてきているのです。 なぜ家族という組織は難しいのか 私はこれまで、20数年にわたって「組織開発」をテーマにコンサルティングを行ってきました。様々な業種・職種の組織やリーダーを見てきましたし、皆さんがそれぞれに家庭を持ち、夫婦関係や子育てに悩んでいる話もたくさん聞いてきました。