「3強」の激しい競り合いか!? V2へ充実の青学大、王座奪還狙う駒大、3冠なるか國學院大/箱根駅伝
追う創価大、中大、城西大、早大、東洋大
3強に次ぐBグループとして、創価大を挙げた。創価大は両駅伝で4位に入っており、エースや選手層では大きな引けはとらない。往路優勝をしたうえでの総合優勝が目標。8回目となる箱根では20年に9位でシードを確保すると、21年に過去最高の総合2位に入るなどシードを守っている。 吉田響(4年)とスティーブン・ムチーニ(2年)が二つの大砲となる。吉田響は気持ちを全面に出した走りが印象的で、全日本大学駅伝では青学大の鶴川正也(4年)と熾烈なデッドヒートを繰り広げた。箱根5区を2回経験しており、“山の神”となれるか。 ムチーニは前回2区5位だったが、2年生となってさらに成長した。トラックのタイムは5000m13分28秒97、10000m27分41秒52と学生トップレベル。駅伝では出雲こそ直前のケガで欠場となったものの、全日本では5区で区間2位と安定感も高く、今回も2区での起用が濃厚だ。 このほか、前回の復路経験者4人も残る。前回6区3位の川上翔太(2年)やここまで学生三大駅伝皆勤賞の石丸淳那(3年)、主将の吉田凌(4年)は計算できる。前回8区の小池莉希(2年)はトラックでのスピードがあり、全日本1区3位の小暮栄輝(4年)、同8区2位の野沢悠真(3年)もいる。 3強にはどうしても劣ってしまうと言わざるを得ない3、4区がカギ。3強を崩すためにも序盤から流れをつかみ、少なくとも往路でトップを争う位置につけていることが必須条件となるだろう。 創価大に次ぐグループが、中大、城西大、早大、東洋大の4校だ。 中大はエントリー選手上位10人の平均タイムで5000mは3位、10000mではトップと高水準にある。ただ、優勝候補に挙げられた前回は、直前のインフルエンザも影響してシードからも転落。今季も予選会は6位、メンバーの状態が整わなかった全日本は12位に終わっている。 だが、ともに3年生でダブルエースの吉居駿恭と溜池一太はともに10000m27分台を持ち、本間颯(2年)も成長。岡田開成ら1年生にも力があり、山上りを2回経験している阿部陽樹(4年)の起用もポイントなりそうだ。主力がしっかりとつなげば、往路からおもしろい戦いができそうだ。 前回は過去最高の総合3位に食い込んだ城西大。今季も出雲7位、全日本6位と安定した戦いぶりが光っている。年度当初はシード権獲得が目標だったが、チームの順調ぶりを示すように「4位以内」に上方修正した。 ともに3年の斎籐将也とヴィクター・キムタイの両輪が今季も健在。直近2年は2区斎籐、3区キムタイで流れを生み出してきたが、今回は上りに強い斎籐を5区で起用するプランも浮上している。関東インカレ(1部)10000m2位で主将の平林樹(4年)や久保出雄太(同)らが飛躍。3区を終えた段階で、少しでも前の位置にいたい。 主力が充実している早大も勢いを感じさせる存在だ。エースに成長した山口智規(3年)が10000mで27分台に突入し、2年連続となる2区が最有力。さらに前回5区6位にまとめた工藤慎作(2年)も今季は全日本8区で3位と健在だ。 駅伝主将の伊藤大志(4年)は前回体調不良で出走できなかった雪辱を期しており、10000m27分台の石塚陽士(同)も復調なるか。長屋匡起(2年)やルーキー・山口竣平らも楽しみな存在で、3、4区をしのげれば上位も見えてくる。 東洋大は関東インカレ(1部)や全日本大学駅伝関東地区選考会といった前半戦は目立った一方、駅伝シーズンは苦戦。ケガの主力を登録しなかった出雲は11位、4年の梅崎蓮と石田洸介らが復帰した全日本も13位だった。3年の緒方澪那斗と岸本遼太郎が長距離区間を担い、1年生が経験を積むなどプラスの材料もある。 箱根路で必ず立て直してきたのが鉄紺軍団だ。昨年度も出雲7位、全日本14位から箱根では4位。前回経験者6人は全員区間10位以内であり、20年連続となるシード権獲得に向けても必ずまとめてくるはずだ。